アイ・ティ・アール(ITR)は9月12日、国内のPC資産管理市場予測を発表した。2018年度の売上金額は前年度比6.8%増の94億円。2020年1月14日のクライアントOS「Windows 7」のサポート終了(End Of Support:EOS)を背景に、2019年度も需要は継続するという。
クライアントPCの構成情報を取得するインベントリ収集、ソフトウェアの配布、変更といった機能があるPC資産管理ソフト。ライセンスの正確な把握、管理などのコンプライアンス面での活用も重要な要素となっているという。
EOSに伴い、「Windows 10」へのアップグレード、PCの買い替えが増加。PC資産管理ソフトベンダーは導入後に発生するOSアップグレードの運用、管理といった課題向け機能の充実度をアピールし、販売を推進しているという。
市場の活性化が後押しされ、2019年度も需要は継続。売上金額は前年度比5.3%増を予想している。導入に一巡感が出始め、PCの出荷台数の伸びに鈍化傾向が見られるなどのマイナス要素があるものの、ソフトウェア配布の効率化などで今後も一定のニーズを維持。2018~2023年度の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は5.1%と安定して推移するとしている。
2017~2023年度のPC資産管理市場規模推移および予測(出典:ITR)
ITRの取締役でリサーチ統括ディレクター、プリンシパルアナリストの金谷敏尊氏は、「ベンダーにおけるPC機器やPCマネジメントの提供形態が多様化しており、サービス利用(SaaS)型で調達する企業は徐々に増加する。今後、PC資産管理ツールの導入やリプレースを計画する企業は、パッケージ製品だけでなくSaaSを候補に加えて評価することを推奨する」とコメントしている。