セゾン情報システムズとブラックラインは2月20日、パートナー契約の締結を発表した。セゾン情報システムズの「リンケージサービス」に経理業務自動化SaaS「BlackLine」を組み込んで、導入コンサルティングやトレーニングなどを組み合わせた「BlackLineインプリメントサービス」と、BlackLineと顧客企業の社内システム間のデータ連携を開発する「BlackLineデータ連携サービス」を4月から提供する。
価格はいずれも500万円から。導入期間は3カ月以上を要するが、BlackLineの導入対象機能や社内システムの構成などによって異なる。
セゾン情報システムズは、経費精算や旅費精算のSaaS「SAP Concur」の実装支援とデータ連携サービスを2016年6月から提供しており、今回のBlackLine採用は金融系SaaSとして第2弾に当たる。セゾン情報システムズ 代表取締役社長 内田和弘氏は「アナログ業務のデジタル化やデジタルからのデータ化、そしてデータ分析業務。今後の事業の柱と捉え、データエンジニアリング事業として伸ばしてく」と今回の提携の意義を説明した。
セゾン情報システムズのリンケージサービスは、自社のファイル転送ミドルウェア「HULFT」やEAIソフトウェア「DataSpider Servista」といったデータ連携ソフトウェアを中核に、顧客企業の内外のシステムやデータ、SaaSをつなぐことで、業務効率化と経営情報の可視化を通じて顧客の意思決定を支援し、経営刷新につなげるサービス。同社はすでにビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Tableau」やConcurなどを採用済みだが、財務経理部門のデジタル化に伴ってBlackLineが加わることとなった。
同社は2014年から全社を挙げた業務の自動化や可視化に取り組んでいるものの、経理財務部門ではアナログなワークフローは改善できなかったという。このような背景から同社は、2019年9月からBlackLine導入プロジェクトを開始し、同年12月からBlackLineの自社運用を開始。この数カ月間、運用ノウハウの蓄積を図っていたが、2020年2月にパートナー契約締結し、2020年4月から各サービスの提供に至った。
同社は3年間で50社の導入を目指しており、リンケージサービスの顧客企業110社中約3割を占める製造業を2020年度の標的として営業活動を開始する。その理由としてセゾン情報システムズ 流通ITサービス事業部長 兼 リンケージサービス部長 花香勝氏は「製造業の74%がConcurを使用しており、経理部門のデジタル化に慣れている。グローバル展開する企業も少なくないため、BlackLineへの違和感も少ない」と説明した。