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日本企業は「従業員エンゲージメント」に関心--クアルトリクスが事業説明

國谷武史 (編集部)

2020-02-26 14:10

 クアルトリクスは2月26日、2020年の事業戦略説明会を開催した。同社は“体験”データの活用をSaaSで提供しており、海外では「顧客体験(CX=Customer eXprience)」への関心が高い一方、日本では「従業員体験(EX=Employee eXprience)」に基づくエンゲージメント(関係性)への関心が高いという。

クアルトリクスが提供するSaaSプラットフォーム
クアルトリクスが提供するSaaSプラットフォーム

 同社は2002年に創業し、アンケートの実施と分析の基本機能を持つ「CoreXM」を中核として、社外の顧客を対象とするCXの「CustomerXM」、社内の従業員を対象とするEXの「EmployeeXM」という2つの領域に向けたSaaSを提供している。2019年には買収によってSAPの傘下になった。

 現在は、世界24拠点で1万1000社以上の顧客を抱える。日本法人は2018年2月に設立され、2年で全日空や富士通など140社以上の顧客を獲得、社員数も当初の2人から30人以上に増え、2019年には初めて国内ユーザー企業の会合も開いた。

日本のユーザー企業
日本のユーザー企業

 日本法人カントリーマネージャーの熊代悟氏は、同社の特色について、アンケートで集める“声”やその分析を通じて、企業と顧客や従業員の関係性に潜む意識の“ギャップ”を可視化するだけではなく、“ギャップ”を改善していく行動を日常業務にできる点にあると説明した。

 多くの企業は、事業の収益源となる顧客との関係性を深め、さらに収益性を高めることを目指している。CXは、顧客が「喜ぶ」「満足する」といった“体験”をもたらすことで企業との関係性を深化、長期化させ、収益に転換していく。熊代氏によれば、従来の企業はERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客関係管理)にある定量的なデータからCXを模索していた。同社がより直感的な“体験”のデータを収集、分析する機能を提供したことで、現在は双方のデータを組み合わせていく企業が増えているという。

 このため、海外の同社顧客の大半は収益性につながるCXを目的にサービスを利用しているという。一方で日本はCXとEXの利用が半々といい、社内の従業員との関係性に課題を抱える顧客が少なくない。

 EXソリューションストラテジーディレクターの市川幹人氏によれば、同社が世界17カ国で実施したEXに関する調査では、日本は低位だった。会社や職場、人間関係における満足感や信頼感、肯定感、理解度をいったものが低く、そのことで入社から数年のうちに退職してしまう人材が少なくない。その結果、組織としての生産性や成長性などが高まらないでいるという。特に中間管理職の定着に課題を抱える企業が多く、業務改善や研修などの施策効果を可視化する目的での利用が増えているとした。

企業と従業員のエンゲージメントに関する調査で、日本は低い状況だったという
企業と従業員のエンゲージメントに関する調査で、日本は低い状況だったという

 2020年の事業戦略では、顧客のサポート体制を強化する。人員増に加え、顧客および専門領域ごとのチームを組成し、同社サービスの導入拡大のみならず、長期的な利用を通じて改善効果を獲得してもらうための分析やコンサルティングを増強する。同時にパートナーも拡大させて顧客企業への対応を強化していく。

2020年の事業戦略で強化するサポート体制の概要
2020年の事業戦略で強化するサポート体制の概要

 SaaSの機能面は、CustomerXMではカスタマーサポート部門などが得るデータを活用する仕組みを追加する。EmployeeXMでは、社内ITシステムの利用満足度を調べる「EX for IT」を新たに提供する。また、これまでの導入はCustomerXMもしくはEmployeeXMから始まるケースが多く、既存ユーザーに中核のCoreXMも利用してもらうための施策にも取り組むという。

 なお、SAPとの関係について熊代氏は、ERPなどの業務システムやデータを“体験”のデータにつなげていくという新たなつながりが実現しているとSAPによる買収の効果を挙げた。一方、買収以前からSalesforce.comなどさまざまシステム、サービスとAPI連携しており、「その意味での独立性をこれからも保っていく」(熊代氏)と、同社の立場を説明した。

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