契約マネジメントの始め方--プロジェクトとして契約を一元管理するメリット

酒井貴徳 (Holmes) 須貝崇史 (Holmes)

2020-03-30 07:00

 これまで3回にわたり、「契約マネジメント」とはなにか、なぜ日本の企業にも契約マネジメントが必要なのか、契約マネジメントのケーススタディなどを紹介してきた。

 今回は、実際の「商品開発」の場面を例にとり、契約マネジメントの実現が可能な「ホームズクラウド」による契約管理の仕方を紹介する。

 今回取り上げるのは、新しい商品を企画し、開発して販売するまでの商品開発である。もちろん、企画、開発、製造をすべて自社で行い、自社が持つチャネルを通して商品を届けるプライベートブランド(PB)商品のような場合もあるが、多くはある工程を外部の企業と協業したり、委託したりといった形で外注するケースが多いと考えられる。ひとつの商品が、実は複数の契約のかたまりで成立しているというわけだ。

 このような場合に問題になるのは、ひとつの商品が完成、販売されるまでのプロセスにおいて、ステークホルダーである、さまざまな取引先と何本もの契約が発生する点である。

 従来型の管理では、こういったケースで契約を網羅的に把握、管理するのは難しい。なぜなら、多くの企業では取引先を軸として契約書を管理しており、「あるひとつのプロジェクトに関わる契約」という軸になっていないためである。

 では、どのようにすれば意味のある形で相互に関連し影響しあう契約を管理できるのか。

 前提として、一つひとつの契約を結ぶために発生する社内の契約業務フローについて整理をしよう。多くの日本企業では、大枠として以下のような流れでひとつの契約が結ばれる。

  1. 交渉
  2. 相談
  3. 契約書作成、修正
  4. 社内稟議、承認
  5. 契約締結
  6. 契約書管理

 契約書にスポットライトを当てると、3.契約書の作成、修正、4.社内稟議、承認、5.契約締結、6.契約書管理の部分が相当する。「ホームズクラウド」では、以下のようにすべてのプロセスを一気通貫で行うことが可能だ。

作成、修正--“契約書あるある”を回避

 契約書の作成には、テンプレートの利用とWordファイルの登録の2パターンが存在する。

 テンプレートの場合は内蔵しているホームズクラウドの独自エディタを活用する。自社が持つ雛形の登録も可能だ。

 修正するときはいつ誰がどんな変更をしたのかという情報がすべてログとして残り、Wordファイルによるコメントの応酬、修正に修正を重ねることで何がなんだかよくわからなくなってしまうという“契約書あるある”とは無縁になるというわけだ。

 Wordファイルの場合、ホームズクラウドにドラッグ&ドロップでアップロードできる。バージョン管理もできるようになっており、いちいちファイル名を変更していく必要もない。校閲によるレッドラインやコメントもプレビューで確認可能だ。

社内稟議、承認--内容をしっかり把握して決済

 契約書の修正が済んだら、次は社内稟議、承認のプロセスである。「この契約書の内容で取引を実行してよいのか」について決裁をとるフェーズだ。

 ホームズクラウドには承認フローの機能もある。パターンとしての登録のほか、任意の承認フローも自由に設定可能だ。承認対象者は契約書とそれに付随する今までのやり取りや契約書の概要などをチェックすることで、しっかりと内容を把握した上で承認できる。

承認フローは自由に設定できる(出典:Holmes) 承認フローは自由に設定できる(出典:Holmes)
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