様々な業務で利用するパッケージアプリは多数販売されているが、企業には多かれ少なかれ独自のワークフローがあるもの。自社業務にフィットさせるにはやはりカスタマイズされたシステムが欲しくなる。しかし、イチから開発すると数百万円~数千万円というコストと半年~1年という時間がかかってしまう。
kintoneなら、初期費用は無料、月額780円からで1ユーザー単位・1ヶ月単位で契約できる。クラウドサービスなので、もちろんその日から使い始められる。BtoBの業務で利用するSaaSとしては安価な部類だろう。
Excelで管理しているデータをkintoneアプリ化すると、前出の課題を解決できる。例えば、ファイルの散逸問題。ひとつのExcelファイルをひとつのアプリにしてしまえば、もう勝手に分散することはなくなる。全員が同じデータを閲覧・編集・追加するのでバージョン違いが発生することがないのだ。
このシンプルさは、業務効率に大きく役立つ。Excelファイルの紛失問題やバージョン管理問題が解決されるだけでなく、kintoneに入りさえすれば、すべてのデータがある、というわかりやすさが重要なのだ。探し回る手間がなくなり、ファイル運用のマニュアルなども不要になる。
トラックを200台所有しているある企業では、どの拠点にどの車両があるのかをExcelで管理していた。しかし、多数の拠点にExcelファイルを送り、返送されたファイルを確認するという手間は負担が大きく、kintoneを導入。それまで半日かかっていた作業が10分に短縮され、確認ミスも起きなくなった。ファイルを探す手間からも解放され、大幅な業務効率化を実現した。
データの共有をグループウェアで行っていたある企業は、日々の業績がテキストベタ打ちで報告されるため、数字の集計ができないという課題を抱えていた。kintoneにすることで、文章での報告と同時に、数字もきちんと扱えるようになり、リアルタイムに経営状況を正確に把握できるようになった。
運用中のExcelファイルをそのままkintoneアプリに移行できる
キャプチャ:筆者
データがすべてクラウドにあるというメリットも大きい。自前のファイルサーバーを維持するコストが不要になるからだ。気になるセキュリティ面も、kintoneはIPアドレス制限やクライアント証明書、BASIC認証といった機能を搭載しており、災害によるデータ消失対策も行われている。
クラウドにデータがあることで、ユーザーはいつでもどこからでもアクセスできるようになる。kintoneはブラウザ上で利用するが、スマホ向けアプリも公開されているので、小さい画面でも最適化されたUIで操作できる。もちろん、複数ユーザーが同時に同じアプリを利用することも可能だ。