富士通、金融分野向けサービスを提供--各種申請手続きを自動化

NO BUDGET

2020-04-27 15:12

 富士通は、チャットボット上の会話から必要項目の自動入力を行う金融分野向けサービス「FUJITSU Finplex チャットボット業務自動化サービス ScrumOne(Finplex ScrumOne)」の提供を開始した。2022年度末までに20システムの販売を目指すという。販売価格は、全て個別見積もり。

 このサービスは、同社の人工知能(AI)チャットボット「Customer Engagement Solution CHORDSHIP powered by Zinrai(CHORDSHIP)」とRPA(ロボティックプロセスオートメーション)で構成されている。CHORDSHIP上の会話から、RPAが各種申請手続きに必要な項目を抽出し、既存のウェブ申請フォーマットにデータを自動入力する。ユーザーはスマートフォン上でチャットボットに簡易な質問を回答するだけで、スムーズに申請手続きをすることができる。金融機関は、既存の業務システムやウェブフォーマットを活用して素早くチャットでの申請手続きサービスを立ち上げることで、デジタルチャネル対応の促進と顧客接点の強化が可能となるという。

チャット画面からの手続きイメージ(出典:富士通)
チャット画面からの手続きイメージ(出典:富士通)

 CHORDSHIPは、適切な会話を導くトークスクリプト機能と、あらかじめ金融機関が用意したFAQ(Frequently Asked Questions)データを機械学習した辞書との「ハイブリッド型AI」として機能する。少ないFAQデータでも会話の意図を的確に捉えた回答を導けるとし、問い合わせの多い項目や新しい用語についてAIが自動で追加することはなく、人が正しいと判断したものだけを追加する仕組みを取り入れている。

 加えて、住所変更や病気・事故時の手続きといった顧客が知りたいことをチャットで入力すると関連する質問を一覧で表示し、そこから手続きページに導くことができる。さらに、解決しない質問には有人チャットや電話オペレーターにつなぐハイブリッド型のシステムを構築することも可能だという。

既存システムへのチャットによる手続きサービス追加のイメージ(出典:富士通)
既存システムへのチャットによる手続きサービス追加のイメージ(出典:富士通)

 システムの導入では、金融機関がインターネットバンキングなどで運用している既存のウェブフォーマットを生かして、効率的にチャットによる手続きサービスを構築できる。CHORDSHIPのユーザーインタフェース(UI)・業務プロセス制御機能と、RPAを連携することで、チャットボット上の会話から既存のウェブフォーマットに自動入力し、金融機関が持つ業務システムとつなげることが可能だという。業務プロセス制御機能は、GUI(グラフィックベースの操作体系を持つUI)でチャットフローや業務システムとの連携について設定でき、画面上で動作確認をすることが可能となっている。

設置型タッチパネルと個人スマートフォンの連携イメージ(出典:富士通)
設置型タッチパネルと個人スマートフォンの連携イメージ(出典:富士通)

 また、金融機関の営業店舗などで導入が進んでいるタッチパネルシステムと個人のスマートフォンを連携させることもできる。他人に見られたくない個人情報などはスマートフォンで入力したり、PCでやりとりしたチャット内容を個人のスマートフォンと連携したりすることが可能だという。

 富士通では今後、本人確認が必要な口座開設業務など、適用手続き範囲の拡大を検討していき、金融だけでなくさまざまな業界において、顧客接点強化に向けたソリューションとの連携を実現していく。

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