Hewlett-Packard Enterprise傘下でネットワーク部門を担うArubaは6月18日、インテリジェントエッジ向けのクラウドネイティブなプラットフォーム「Aruba Edge Service Platform(ESP)」を発表した。
Aruba ESPは、人工知能(AI)を搭載し、ネットワークに問題が生じる前に事象を予測し、自動的に解決する。そのため、ユーザーは「インテリジェントエッジ内で起きていることについて“第六感”を得られるようになる」とAruba共同創業者兼社長のKeerti Melkote氏が同社イベント「ATM Digital」の基調講演で述べた。
Aruba ESPは(1)キャンパスLANやデータセンター(DC)LAN、無線LAN、SD-WAN、リモートアクセス(VPN)、IoTなどの一元運用管理を実現する統合インフラストラクチャー、(2)ゼロトラストネットワークセキュリティ、(3)AIを活用して運用の効率化を図るAIOps(Artificial intelligence for IT Operations)――という3つの要素で構成される。多数のドメイン間を横断するデータ分析、SLA追跡、異常検出、自動最適化を24時間365日継続するオールインワン型プラットフォームとなっている。
統合インフラストラクチャは、キャンパス、データセンター、ブランチ、リモートオフィスにわたるすべてのLANスイッチやWi-Fi、SD-WANの運用を「Aruba Central」に集約する。クラウドネットワーク管理プラットフォームであるAruba Centralにより、クロスドメインのイベントを関連付け、問題の解決時間と手動エラーの低減が可能になる。さらに、Arubaの統合アーキテクチャでは、コントローラをクラウドに配置できるため、エンタープライズの全域にわたって最高度の柔軟性を発揮するという。
ゼロトラストネットワークセキュリティは、ロール(役割)ベースのアクセス技術、ダイナミック・セグメンテーション、IDベースの侵入検出の機能を統合して搭載。これにより、ネットワークに接続するすべてのユーザーとデバイスを認証、承認、制御すると同時に、ネットワークへの攻撃がビジネスに影響を及ぼす前に防止、隔離、停止する。
AIOpsは、AIとアナリティクスにより根本原因を瞬時に特定し、ネットワークに生じる可能性がある問題を自動修正できると説明。また、ユーザーエクスペリエンスの積極的な監視、障害の発生を未然に防止するネットワーク調整、さらには、ピアベンチマーキングと推奨事項の活用によりネットワークを常に最適化して保護できるという。
Melkote氏は、インテリジェントエッジの重要性について言及し、テクノロジーは、職場や生活の場といったあらゆる場所、すなわち“エッジ”で使われるようなっており、ビジネスのエクスペリエンス改善や効率向上のために活用されると述べた。これは、テクノロジーがモバイルとクラウドの時代である現在において全ての人に普及しているが、「ニューノーマル(新常態)」の到来によってさらなる広がりを見せるようになるためだという。