だが、「エッジの可能性を実現するにはどうしたら良いか。これまでのやり方が必ずしも有効とは限らない」とMelkote氏は述べる。
これまでは、コンピューティングパワーが手の中にあり、ネットワークに接続され、データをクラウド上のアプリケーションで処理していた。クラウドは、中央化された巨大なデータセンターと同じで、コンピュート、ストレージ、ネットワークを集めてインフラを構成し、その上でアプリケーションを動かしているとMelkote氏は述べる。エッジは逆で、非常に分散化されており、あらゆる場所にある。そのため、同様のインフラ技術をいかに実現し、データをエッジで活用するかという課題があるという。
また、エッジは、完全に自立化しておらずクラウドに接続されているが、将来的なアーキテクチャーとしては、データの多くがエッジで処理され、そこに止まるようになるとMelkote氏は考えを示す。これは、エッジで生成されたデータをすべてクラウドに送った場合、コストが非常に大きくなるためで、ビジネス上の成果を出すためにもデータをエッジで処理するというニーズは大きいという。
この課題解決に向けてフレームワークを構築したとMelkote氏。このフレームワークは、コネクト(接続)、プロテクト(保護)、アナライズとアクト(分析と行動)という3レイヤーで構成される。コネクトの部分で人とデバイスが接続される。プロテクトはセキュリティについてで、エッジを作る上で重要となる。アナライズとアクトの部分では、エッジでのデータ処理能力が活用される必要があるという。「これらの要素が組み合わされることで「エッジの可能性が引き出される」(同氏)
Keerti Melkote氏
Aruba ESPを構築する要素は、このフレームワークに基づいており、コネクトが統合インフラストラクチャーで、プロテクトがゼロトラストネットワークセキュリティで、アナライズとアクトがAIOpsでそれぞれ実現されているとMelkote氏は説明する。
ネットワーク、ユーザー、デバイスの状況を分析しながら学習しさらに適応する。情報を知識に変え、ネットワーク自体が問題を検出して解決できるよう進化し、最終的にユーザーやビジネスが影響を受ける前に問題を予測できるようになるという。
Aruba ESPは、クラウドネイティブの単一プラットフォームを提供し、オンプレミス型かクラウド型のいずれでも選択可能。キャンパスからクラウドまで企業の全ての社内インフラをセキュアに守り、統合するという。
発表にあわせて、開発者ハブが開発者向けの包括的なリソースとして導入された。開発者ハブは、Aruba ESPオープンプラットフォームを活用し、次世代エッジアプリケーションの効率的な開発を可能にするAruba API とドキュメンテーションが含まれている。