六本木商店街振興組合と、NEC、三井住友カード、ビタイムジャパンは、六本木の街を対象に、混雑状況や消費行動などの分析/可視化を行う実証実験を開始した。
8月から実施していた人流情報や購買情報などのデータ収集/分析に基づき、10月28日にスマート街路灯のサイネージに混雑状況の表示を開始した。
この実証は、行政や民間が保有するさまざまなデータの活用による三密/混雑回避に向けた取り組みの1つで、東京都の「官民連携データプラットフォーム データ利活用実証プロジェクト」における三密回避に向けたプロジェクト「混雑状況と人の流れ・属性、エリア全体の消費動向等の可視化」の一環として実施する。
混雑マップのイメージ(左)と、人流情報/購買情報の組み合わせ例(右)(出典:六本木商店街振興組合、NEC、三井住友カード、ナビタイム)
六本木スマート街路灯(左)と、サイネージの表示イメージ(右)(出典:六本木商店街振興組合、NEC、三井住友カード、ナビタイム)
実証の内容は、「人流情報や購買情報などを組み合わせ、消費と人の動きの相関関係」と「サイネージなどを活用し、混雑状況を地図でリアルタイムに可視化」の2つ。
消費と人の動きの相関関係については、六本木商店街に設置されたスマート街路灯に搭載したカメラとAI(人工知能)による映像解析技術により、来街者の移動方向、属性(性別/年代)、人数を24時間リアルタイムに推定する。また、三井住友カードのキャッシュレスデータを活用することで、商店街周辺エリアにおける新型コロナウイルス感染拡大前後の消費ボリュームや性別/年代別の消費行動の変化を分析し、ナビタイムの電車混雑情報と組み合わせ、消費と人の動きへの影響を可視化する。
さらに、これらのデータと東京都が公開しているオープンデータ(新型コロナウイルス感染症情報、犯罪発生情報など)や気象庁の気象データを組み合わせて相関関係を分析し、六本木商店街におけるエリア/時間ごとなどにおける傾向を捉える。混雑状況の可視化では、スマート街路灯に搭載したデジタルサイネージを活用し、収集/分析した混雑状況を地図上にリアルタイムで可視化する。
実証では、個人情報保護法をはじめとした関係法令や「カメラ画像利活用ガイドブック」を順守の上、関係各機関や有識者からの助言のもと、六本木商店街振興組合としてのガイドラインを独自に作成して運用していく。三井住友カードのキャッシュレスデータは、個人や加盟店を特定できないように統計化した情報を使用している。またナビタイムの電車混雑情報は、独自の電車混雑シミュレーション技術で生成した予測データで、個人を特定する情報ではないという。