GitHubは米国時間1月5日、イランの開発者らに対して同社の全サービスを提供するために必要となるライセンスを取得したと発表した。このライセンスが認可されるまで、イランの開発者らは米国の制裁措置によってGitHubへのアクセスに制限が加えられていた。
GitHubの最高経営責任者(CEO)Nat Friedman氏は、こういった制裁措置によって、すべての米企業は制裁対象国の個人や組織とビジネスを行うことが禁じられると説明している。GitHubは2019年半ばに、米国の制裁対象国であるイランやクリミア、キューバ、北朝鮮、シリアなどを拠点とするアカウントからのアクセスを制限したことを認めていた。このことはつまり、対象国の開発者らがプライベートリポジトリーへのアクセスを禁じられたことを意味している。
GitHubは制裁対象国の開発者らに対して、アクセス可能な対象について限られた情報しか提供してきていない。
同社はアクセス制限を最初に認めた際に、「GitHubは現在のところ、米国の経済制裁によるその他の制限が課されていない、これらの国や地域の個人ユーザーに対して限定的なサービスを提供している。これには、個人的なコミュニケーションのみを目的とした、GitHubのパブリックリポジトリーサービスへの限定的なアクセスが含まれている」と述べていた。
GitHubは米国の貿易規制に関するウェブページで、米国の制裁措置はGitHub.comという同社のオンラインホスティングサービスに適用されるものの、法人ユーザーを対象とした、有償のオンプレミスソフトウェアについては、こうした状況下にあるユーザーの選択肢になり得るとしている。
さらに同ページには、「ユーザーは自らが開発し、GitHub.comで共有するコンテンツが、EAR(米輸出管理規則)や米国の国際武器取引規則(ITAR)を含む、米国の輸出管理法に準拠するよう保証する責務を負う」と記されている。
GitHubは今回の発表をもって、少なくともイランの開発者に対するあらゆる制限を撤廃し、影響のあったアカウントへのフルアクセスを回復することになる。
Friedman氏は、このライセンスの取得には2年を要し、米財務省外国資産管理局(OFAC)との「幅広くオープンなアクセスを擁護するための長く徹底したプロセス」が必要だったと述べた。
同氏によるとGitHubは今後、クリミアとシリアの開発者のために、同様のライセンスを取得するべく米政府と作業を進めていくという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。