大林組は、協力会社を含む大林グループ全体のサポートデスク環境をServiceNowの「IT Service Management」(ITSM)で刷新した。2020年10月に正式稼動を開始している。
ITSMの活用イメージ
ITSMが採用される前のサポートデスクは、窓口がITシステム全般、調達や請求などに関する問い合わせ、モバイル機器の故障や修理などに関する問い合わせにそれぞれ分散していた。そのため、ユーザーは利用しているデバイスやシステムに応じた窓口に問い合わせをする必要があり、また解決に時間を要する問い合わせは、外部から進行状況が把握しづらく、改めて問い合わせをするケースも発生していた。
一方、サポート側は電話を中心とした問い合わせが多かったため、問い合わせが集中してしまう時間帯には対応しきれない状態となっていた。また自己解決を促すナレッジが分散管理する仕組みになっていたことで、ナレッジの可視化や共有化などを目的としたFAQ(よくある質問)の作成対応にリソースを割くことが困難となっていた。
ServiceNowの導入後は、ITSMのウェブフォーム中心の問い合わせ体制に移行した。特に問い合わせの多いシステムを中心にFAQを作成するなど、問い合わせの約8割を自己解決できることを目標とする体制を構築した。
さらに、サポート窓口それぞれに設けていた電話回線は今後1本化し、ガイダンスによって該当するサポート窓口に振り分ける体制を構築する予定だ。これにより電話による問い合わせ件数は大きく減少し、インシデント対応の可視化が期待できる。