ビジネスメール詐欺の被害額など高額--FBIの2020年インターネット犯罪レポート

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-03-27 08:30

 米連邦捜査局(FBI)が受理した訴えに基づく統計によれば、2020年にサイバー犯罪者や詐欺師の攻撃によって起きた被害は、41億ドル(約4400億円)を超えるという。

 2020年には、FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)にインターネット犯罪の疑いがある事例の訴えが米国民から79万1790件寄せられた。これは2019年よりも30万件以上多い数字だ(2019年の被害額は35億ドル強)。

 FBIは、発表したレポート「2020 Internet Crime Report」の中で、「2020年の米国社会は、家族を世界的なパンデミックから守り、助けを必要とする人々を支援することに力を注いだが、サイバー犯罪者は、社会が技術に依存したことでできた隙から利益を上げるためにインターネット犯罪を多発させた」と述べている。

 報告された中でもっとも被害額が大きかったのは、今回もビジネスメール詐欺(BEC)と電子メールアカウント侵害(EAC)で、被害総額は18億ドル、件数は合計1万9369件だった。被害額は2019年の17億7000万ドルと比べ微増した(2019年の報告件数は2万3775件)。

 レポートでは、2020年には、アイデンティティの盗難や資金の仮想通貨(暗号資産)への交換と結びついたBECの報告が増加したと述べている。

 IC3によると、これらの被害では、BECやEACとは別の状況で技術サポート詐欺やロマンス詐欺によって盗まれたIDが銀行口座の開設に使われ、その口座がBECによって盗まれた資金を受け取り、その資金をより追跡が難しい仮想通貨と交換するために使用されているという。

 このような手口の変化や、資金の仮想通貨へ交換は2020年のBECで増加した。

 またレポートでは、技術サポート詐欺の問題が引き続き大きくなってきているが、最近では犯罪者が金融機関や公益企業、仮想通貨交換所のカスタマーサポートを装うケースがあると指摘している。

 この種の詐欺はコロナ禍の影響で一時的に減少したものの、技術サポート詐欺による被害額は1億4600万ドル(約160億円)に増加し、2019年の被害額を171%増加した。技術レポート詐欺に関しては、2020年に60カ国の被害者から1万5421件の訴えが受理されている。

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