全ての脅威経路で包括的な脅威防御とデータ保護を提供--マカフィーが2021年の法人向け事業戦略

渡邉利和

2021-05-13 09:29

 マカフィーは5月12日、2021年の法人向けビジネス事業戦略について報道関係者向けにオンライン説明会を開催した。

 代表取締役社長の田中辰夫氏は、2021年の事業戦略として「ここ数年、『デバイスからクラウドまでを保護する』と提唱してきたが、2020年にはこれに加えて『クラウドネイティブでオープンな統合セキュリティ』というアプローチをとってきた。2021年は『デバイスからクラウドまで』に加え、『クラウドファースト』そして『将来をも見据えたセキュリティ運用』という製品アプローチで、全ての脅威経路に渡って可視性と制御を備えたサイバーセキュリティのプラットフォーマーとして、包括的な脅防御止とセキュリティ保護を提供していく」と語った。

マカフィーの2021年の法人市場向け事業戦略
マカフィーの2021年の法人市場向け事業戦略

 さらに製品アプローチについて、同氏は「DEVICE-TO-CLOUD CYBERSECURITY:デバイスからクラウドまでを保護」「CLOUD-FIRST ARCHITECTURE:クラウドファーストな構成/考え方」「FUTURE-PROOF SOC:将来を見据えたセキュリティ運用」の3点を挙げ、それぞれの概要も紹介した。

中核となる3つのアプローチ
中核となる3つのアプローチ

 まず「デバイスからクラウドまでを保護」については、ユーザー/システム/データを保護する上で最も重要なのは可視性と制御を確保することだと指摘。その上で、「エンドポイント、ネットワーク、クラウドまで全ての脅威経路において可視性と制御を備えた、デバイスからクラウドまでのサイバーセキュリティを提供していく」とした。

 次に「クラウドファーストな構成/考え方」については、「分散した環境で従業員の業務効率を維持するため、クラウド移行をこれまで以上に加速することに対するアプローチだ」と語り、「エンドポイントセキュリティ、クラウド/セキュリティ、そしてSASE(Secure Access Service Edge)を全てクラウドから展開および管理できるようにする」とした。

 最後に「将来を見据えたセキュリティ運用」に関しては、「高度になる敵に先んじるセキュリティ運用を実現するために、新たな脅威を監視しながら漏えいリスクを軽減する方法」として「グローバルな脅威を分析し、自社に最も関連性のある脅威を特定、それらに対する防御をプロアクティブに強化して将来を見据えたSOC運用を可能にする」とした。さらに「全てのデバイス/アプリケーション、あらゆる場所のユーザーに脅威防御とデータ保護を提供していく」と同社の取り組みをまとめた。

 なお、既報の通り米McAfeeは法人向け事業をSymphony Technology Group(STG)に売却することで合意したことを発表している。同氏はこの分社化についても「現時点でお伝えできることは限られている」と前置きしつつ、その概要について説明した。同氏は「売却契約は2021年末までに締結される見込み」だとし、「STGはプライベートエクイティファンド、いわゆる投資会社。McAfeeのエンタープライズビジネス部門は新たなプライベートカンパニーとしてエンタープライズビジネスに完全にフォーカスしていく」と話す。また、「STGとともに、これまで以上に強力にビジネスを展開して行く方向で準備を進めている」などとしている。

 最後に同氏は、在宅勤務が拡大する中でセキュリティ意識が高まるという効果も期待できるとした上で「ビジネス/経済が停滞しないよう、引き続きセキュリティ市場を成長させていきたいと考えている」と語った。

法人部門売却に関する概要とSTGからのコメント
法人部門売却に関する概要とSTGからのコメント

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