伊藤忠商事は、国内における社外向けの請求書をはじめとする帳票のウェブ配信システムの構築に当たり、ウイングアーク1stのドキュメント管理ソリューション「SPA Cloud」と文書流通サービス「SVF TransPrint」を導入した。ウイングアーク1stが発表した。導入決定から本格運用まで約半年という短期導入を実現したという。
SPA CloudはAI-OCR(人工知能を活用した光学文字認識)の文書管理を利用できるクラウドソリューションで、書類のデータ化や業務の自動化などを支援する。
SVF TransPrintはペーパレス化を促進する請求書ウェブ配信サービスで、既存のレイアウトで作成されたPDFファイルをそのまま利用でき、短期間で簡単に請求書、納品書、検収書などの帳票類の発行業務を自動化できる。
これらのシステム間の自動連携により、配信される請求書とユーザーが作成したその他資料を取引先がSVF TransPrintからワンストップで入手できるようになる。
伊藤忠商事では、紙帳票と電子帳票を統合した帳票基盤SPAIS(Supreme reporting Platform for All ITOCHU Systems)の再構築をウイングアーク1stの帳票ソリューション群を導入して展開していたが、新型コロナウイルス感染症の対策で在宅勤務への対応が急務となり、請求書原本を電子データで送付する仕組みとして、請求書ウェブ配信システムの構築を検討することとなり、今回の導入に至った。
導入については、2020年5月からのPoC(概念実証)を経て、同年9月に導入を決定した。作業ミスを防止する観点から、帳票基盤SPAISと「SPA Cloud」をつなぐ自動連携機能をアドオンで開発。納品書、検収書、物品受領書、支払通知書などの請求書付属書類のウェブ配信を同年11月に先行リリースした。
その後、SVF TransPrintのバージョンアップした機能を活用し、2021年3月より国内における請求書のウェブ配信も開始した。SVF TransPrintのバージョンアップでは、取引先側がSVF TransPrintの画面にログインする際に、共通IDとパスワードによる管理に加えて、メールアドレスによる認証(二要素認証)機能が付加され、セキュリティ対策が強化されている。
また、配信ファイル単位で送付側の担当者が注意書きを付けるためのコメント機能も搭載され、ユーザーがExcelなどで作成した明細ファイルなどを手動でアップロードできるアップロード機能をアドオンで開発した。

システムの連携イメージ(出典:ウイングアーク1st)