IDC Japanは6月2日、国内AI(人工知能)システム市場(エンドユーザー支出額ベース)予測を発表し、2021年は初めて2000億円を突破する見込みであることが分かった。2020年は前年比47.9%増の1579億8400万円だった。
AIシステムへの投資は、コロナ禍でも衰えることがなく、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みとして加速しているとする。2020年は同市場の3分の1以上を構成するというソフトウェアが45.2%増で市場の急拡大をけん引した。
また、ハードウェアも新型コロナウイルス感染症の研究やAI推論モデルによる非接触ソリューション開発などのニーズで、スーパーコンピューターや高性能サーバーの導入が伸び、104.2%増だった。サービス市場もビジネス変革支援、ITコンサルティング、アプリケーション開発/運用支援のニーズで同24.8%増だったとしている。
IDC Japanは、2021年の市場規模を34.1%増の2119億1600万円と予測し、2020年に見られたニーズに加え、データマネジメントや分析、従業員へのリスキリング(職業能力の再開発)を中心に積極的に投資が行われると見る。2022年は28.7%増と成長スピードの鈍化を見込むが成長は続くとし、2020~2025年の年間平均成長率を25.5%、2025年の市場規模を4909億8100万円と予測している。
国内AIシステム市場 支出額 2020~2025年(出典:IDC Japan)