コロナ禍ではセキュリティ部門の対応能力も向上--ソフォス調べ

ZDNET Japan Staff

2021-09-16 15:18

 セキュリティ企業のソフォスは、企業・組織のサイバーセキュリティの現状を調査したレポート「2021年のITセキュリティチームの変化と今後の展望」を発表した。それによると、85%がコロナ禍で2020年にサイバー攻撃が増加したと回答し、59%はセキュリティチームの士気が向上したと答えた。

 調査は、日本を含む30カ国で、従業員100~5000人の組織に所属するIT意思決定者3400人を対象に実施された。コロナ禍の変化として、87%がセキュリティ業務の増大を挙げていることも分かった。

 アジア太平洋地域と日本については、62%が全体的なITワークロードが増加したと答えており、セキュリティのワークロードについては66%が増加したとしている。60%は自社を標的とするサイバー攻撃が増えたと報告し、65%は攻撃が高度で自らのチームの能力では対応できないとした。

 そうした状況下で、72%はサイバーセキュリティのスキルと知識を開発する能力を向上させたと答えており、小売(77%)や教育(75%)ではその傾向が強かった。特にランサムウェア攻撃の経験した組織の60%が、士気が向上したと回答し、未経験だった組織の47%よりも高かった。新型コロナウイルス感染症対策でのロックダウンなどにより、チームでの対応行動に制約がつきまとう中で、ソフォスは「同じ目的と価値観を共有し、一丸となって逆境に立ち向かうことがチームの結束を高め、士気を向上させることが示唆された」と分析している。

 また、63%は2023年までにチームの規模が拡大するだろうとし、86%は人工知能(AI)技術などを活用したセキュリティ業務の効率化に期待感を示した。

 調査結果について主任リサーチサイエンティストのChester Wisniewski氏は、コロナ禍への対応で多くの業界のIT部門がオンライン化などを進めると同時にサイバー攻撃の増加にも直面し、「過大なストレスを抱えながらも調査からは、より高いスキルを習得できただけではなく、チームの士気が向上し、今後も野心的な取り組みを受け入れる準備ができていることが分かった」とコメントしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]