埼玉県は、クラウド型のコンテンツ管理基盤「Box」とアイデンティティー(ID)管理基盤「Okta」を導入。職員1万2000人の行政事務をデジタル化するとしている。システムの導入と構築を支援したマクニカが4月14日に発表した。
Boxの導入では、試験導入時の対象部署で90%の書類を電子化した。庁内のさまざまなシステムやキャビネットに分散していた情報資産を電子化した上でクラウド上に集約し、一元管理できる仕組みを作り上げた。資料の保管場所を統一したことで、管理や検索がしやすくなった。
定期的に職員の大規模な人事異動があるため、マクニカが独自で開発したプロビジョニングツール「Hakonnect」も導入した。Boxのアカウント管理、フォルダー作成、アクセス権付与などの作業を、自動で行える環境を構築した。ファイル閲覧やダウンロード履歴のログ取得も可能で、情報漏えいや内部不正への対策を強化している。
Oktaについては、BoxやZoomといった複数のクラウドサービスにシングルサインオン(SSO)が可能になった。また、多要素認証の利用によって庁外からクラウドサービスを利用するときのセキュリティを向上した。認証基盤をクラウド化することで、バージョンアップの工数を削減した。
さらにLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)やCSVファイルに点在していたユーザー情報を総合的に取り込むことで、プライベートクラウドでの管理体系を維持したまま、クラウドサービスの利用に対応したID管理基盤を構築した。
埼玉県では2021年3月に「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画」を策定。行政のデジタル化や社会全体のデジタル変革(DX)を推進する上での方針や施策を定めている。
導入後の全体構成