「ソフトウェア開発者」や「コーダー」という肩書きを聞けば、実際に何をしているのかは明らかだと思う人もいるだろう。しかし多くの開発者の日常では、さまざまな余計な仕事や想定外の要求に追われ、ソフトウェアの開発やコーディングが後回しになってしまっている。
提供:Hinterhaus Productions/GETTY
ある調査によれば、ソフトウェアエンジニアは、週に平均約10時間しか「集中して仕事をする時間」を取れていないという。これは、集中力を途切れさせる要因や、フラストレーションを多く抱えているからだ。
ソフトウェア開発ツールを提供しているRetoolが、米企業のソフトウェアエンジニア600人を対象として実施した調査のレポートでは、「初級エンジニアは、平均よりもかなり多くの時間を取れている。実際、彼らは上級エンジニアよりも20%多くの時間を取れているが、これはおそらく、彼らは管理業務上のオーバーヘッドに対応する必要が少ないためだ」と述べている。
調査では、初級エンジニアと上級エンジニアの両方が、作業時間を減らしたい項目として変更内容のテスト(テストの作成や手動でのテストの実行)を挙げていた。また上級エンジニアは、採用候補者の募集や面接にかける時間を減らしたいと考えていた。
開発者が嫌がる時間のかかる作業の中には、SQLのクエリーやデータベースの同期の遅さといった技術的な問題も含まれている。「他の人の作業待ち」にも不満を感じている開発者もいる。これにはコードのレビューや要件策定などが含まれる。特定のコードを書いたのが誰かを特定することに時間がかかる場合もある。
さらに、調査対象のエンジニアの約90%が、オープンソースのコードは、日常業務に最低でも「ある程度は」必要不可欠だと述べていた。これはおそらく、開発者の多くが日常的にオープンソースのコードを利用しているからだ。開発者の80%以上が月に1度、50%近くが週に1回以上はオープンソースのコードを自分のコードに組み込んでいる。
調査によれば、開発者は普段から、可能な場合にはコードを再利用している。回答者の個人コントリビューターは半数近く(44%)が、週に10~50行のコードを他のソースコードからコピーアンドペーストしていると述べており、3分の1は、週に50~100行のコピーを行っていた。また13%は、週に101~500行のコードを再利用していた。
レポートでは、「2022年現在、ソフトウェアエンジニアの大半が他人のコードを実行している。開発者は、オープンソースのライブラリーを利用して開発を行っているか、自社のコードベースのほかの部分のコードや、オンラインで公開されているチュートリアルのコードを再利用している」と述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。