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「スマホを離れて何もしないのは意外と楽しい」との研究結果

Sabrina Ortiz (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2022-08-20 06:30

 現代は暇つぶしの材料に溢れている。私たちは、指先一つで、考えられるあらゆる種類のエンターテインメントにアクセスできるようになった。デバイスを手に取りさえすれば、ソーシャルメディアをなんとなく眺めることも、お気に入りの番組をストリーミングすることも、オンラインでウィンドウショッピングを楽しむこともできる。しかし、最近米国心理学会が紹介した研究論文によれば、何もせずにひとりで物思いにふける時間の楽しさが過小評価されている可能性があるという。

PCから目を上げて窓の外を眺める人
提供:Shutterstock / marvent

 この研究では、259人の被験者に対して6つの実験を行った。その際、被験者は、ひとりで考え事をして過ごす体験をどのくらい楽しめるかについて予想することを求められた。実験ではその後、被験者の予想と、実際に被験者がただ考え事をして過ごす体験をどのくらい楽しめたかを比較した。

 ある実験では、被験者は暇つぶしをすることなくただ座っているよう求められた。スマートフォンを見たり、歩き回ったり、本を読んだりすることは許されなかった。被験者は事前にその活動がどの程度楽しいと思うかを予想し、セッションの途中かセッション後に再びどの程度楽しかったかをチェックされた。

 その結果、被験者が過ごした環境が何もない会議室だった場合にも、視覚的な刺激が少なく、狭くて暗いテントだった場合にも、物思いにふける時間は事前の予想よりも楽しかったと感じられたことが明らかになった。

 論文の第一著者である京都大学の波多野文博士は、「私たちの研究は、考えにふけることの楽しさを評価することが難しいことを示唆している。これは、多くの人が、日常生活の中で何かを省みたり想像したりする時間を取るよりも、デバイスをいじるなどして時間つぶしをすることを好んでいる理由の説明になるかもしれない」と述べている。

 過去の研究では、物思いにふけることには、問題解決や創造性の向上などの多くのメリットがあり、人生の意味を見出すのに役立つことさえあることが明らかになっている。論文の共著者であるテュービンゲン大学(ドイツ)の村山航教授は、「多くの人は、思考することを積極的に回避することによって、これらの重要なメリットを享受できていない可能性がある」と述べている。

 一方で被験者は、予想していたよりは物思いにふけることを楽しいと感じたものの、楽しさのレベルに対する評価は平均で7段階評価の3から4程度であり、特別に楽しいと評価したわけではない。村山氏は、どんな思考でも有意義だと感じられるわけではないことから、今後の研究では、どのような思考が楽しいと感じられるかを調べていくべきだと述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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