顧客のコネクテッドエクスペリエンスに関するSalesforceの最近の調査によると、企業が提供するエクスペリエンスはその製品やサービスと同じくらい重要だとする顧客の割合が、2020年の80%から2022年には88%に増えたという。顧客エクスペリエンスを向上させるには、まず従業員のエクスペリエンスの向上から始めるのが良いだろう。調査では、従業員エクスペリエンスの向上がより優れた顧客エクスペリエンスと売上高の成長につながることが示されている。実のところ、企業はチャンスを逃している。従業員エクスペリエンスと顧客エクスペリエンスの間の垣根を取り払うことで、50%以上の売上高成長を遂げられる大きな機会を手にできるはずだ。
スポーツ業界やエンターテインメント業界の企業は、カスタマージャーニーや、全方位的視点に立った顧客アナリティクス、顧客データプラットフォーム(CDP)、ワークフローのスマートな自動化により、高度にパーソナライズされたリアルタイムのサービスを提供できるようになる。
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また顧客エクスペリエンスは、高度にパーソナライズされたリアルタイムのデジタルファーストエンゲージメントモデルに向かって急速にシフトしている。デジタルチャネルは依然として顧客エンゲージメントの中心だが、公衆衛生面での規制の緩和に伴い、企業にとっては試行錯誤を重ねた結果の実績ある方法で新たなエンゲージメント手段を作り出していくことが重要となる。顧客の73%は、自らが持つ固有のニーズや期待を企業が理解して当然だと考えている。また顧客の68%は、過去2年の間に新たな方法で製品を購入したとしている。
Salesforceの2022年度版の「State of Marketing」(マーケティングの現状)レポートによると、マーケティング担当者にとって最も優先順位が高いのはツールやテクノロジーのさらなる活用だという。顧客関係管理(CRM)は、好業績を目指すマーケティング担当者向けの有力なツールだ。特に普及しているのはCRMシステムだが、マーケティング担当者は顧客のライフサイクルを通じて関係を構築するためにさまざまなツールを用いている。B2BおよびB2B2Cのマーケティング担当者の89%はアカウントベースのマーケティングプラットフォームを用い、営業担当者やサービス担当者と協力して目標を絞ったキャンペーンを練り上げるためにチームを支援している。
高度にパーソナライズされたリアルタイムのエクスペリエンスを提供するというのは、スポーツ業界やエンターテインメント業界を含むあらゆる業界での差別化要因となっている。では、こういった業界は顧客エクスペリエンスを向上させる上で、どのようにテクノロジーを活用しているのだろうか?
Jason Lumsden氏はボストン・レッドソックスの元IT主任であり、現在はマサチューセッツ州ボストンに拠点を置く、顧客エクスペリエンスに特化したソフトウェア開発企業Verndaleのバイスプレジデントを務めている。同社はマーケティングやテクノロジーのリーダーらがカスタマージャーニーにおける点と点をつなぐのを支援している。筆者はLumsden氏に、スポーツ業界やエンターテインメント業界における顧客エクスペリエンスのトレンドについて語ってもらった。