気象庁が土砂災害や河川の氾濫などの豪雨災害の要因となる「線状降水帯」の発生を予測する気象庁の線状降水帯予測スーパーコンピューターの構築を終え、3月1日に稼動を開始する。システムを納めた富士通が2月27日に発表した。
2020年7月豪雨の線状降水帯(気象庁提供)
このシステムは、理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「富岳」の技術を活用した富士通の製品「PRIMEHPC FX1000」24ラック(主系・副系各12ラック)で構成され、総理論演算性能は約31.1ペタFLOPS(ペタFLOPSは毎秒1000兆回の浮動小数点演算ができることを表す)となる。
スーパーコンピューターの世界ランキング「TOP500」の50位内に主系と副系の2システムがエントリーされる見込みで、国内5位相当の性能を2つのシステムで全体構成するシステムとなる。また、ストレージシステムは総容量42.3ペタバイトの高速ストレージで構成されている。
さらに同システムは、富士通のデータセンターに設置され、24時間安定した運用管理による業務継続が可能となっている。
線状降水帯予測スーパーコンピュータ
富士通は今後も、気象庁の大規模な中枢システムである「地域気象観測システム」(通称:「アメダス」)など、ほかのシステム運用も含めて、同庁が取り組む「観測・予測精度向上のための技術開発」などの活動を包括的に支援していく。