GitHubは米国時間3月22日、AIプログラミングツール「GitHub Copilot」を進化させた「GitHub Copilot X」を発表した。GitHub Copilot XはOpenAIの言語モデルシステムの最新バージョン「GPT-4」モデルを利用する。
GitHub Copilot Xの「GitHub Copilot Chat」は、自然言語処理ツール「ChatGPT」で得られる体験を開発エディターにもたらすチャットインターフェースで、「Visual Studio」「Visual Studio Code」とネイティブに統合されている。コードを提案するだけでなく、入力されたコードや表示されたエラーメッセージを認識する。IDEに深く統合され、コードブロックの意図についての詳細な分析と説明の表示、ユニットテストの生成、バグに対する修正案の提示を可能にする。
GitHub Copilot Chatは、OpenAIとMicrosoftのChatGPTと新しい「Bing」における協業の成果をベースとする。また、音声文字変換AI拡張「GitHub Copilot Voice」との組み合わせにより、自然言語による入力を口頭で伝えることが可能になる予定だという。
「Copilot for Pull Requests」は、プルリクエストにAIによって生成された説明文を追加する。プルリクエストにタグを追加すると、GitHub Copilotは、GPT-4モデルを利用することで、変更されたコードに基づいて説明文を自動的に追記する。開発者は、提案された説明文を確認して、必要に応じて修正するだけでいい。
GitHubは現在、プルリクエストを作成する際にコードの変更に関する情報を動的に取り込むことで文章や段落を提案する新機能を社内でテストしている。また、プルリクエストに対して十分にテストがない場合、開発者に警告を出し、プロジェクトのニーズに基づいて編集、承認、拒否可能なテストを提案する新機能も準備中だという。
これはGitHub Copilot Chatに関する取り組みを補完するものであり、開発者は、テストを生成するようエディターからGitHub Copilotに直接指示できるとGitHubは説明する。そのため、テストカバレッジが十分でない場合、GitHub Copilotは、プルリクエストが提出されると警告を表示する。また、プロジェクトオーナーは、テストに関するポリシーを設定するとともに、開発者がそのポリシーに沿うようにサポートもできる。
「GitHub Copilot for Docs」は、ドキュメントに関する質問への回答をAIが生成し、チャットインターフェースを通じて提供する。対応する質問には、開発者が使用している開発言語、フレームワーク、技術が含まれる。まずは「React」「Azure Docs」「MDN」のドキュメントをサポートするという。
コマンドラインインターフェース(CLI)用の「GitHub Copilot CLI」は、何をしたいかを記述することで、適切なコマンドやフラグを教えてくれる。
GitHubの最高経営責任者(CEO)を務めるThomas Dohmke氏は「あらゆるステップでAIが利用できるようになれば、開発者の生産性を根本的に再定義できる」とし、「定型作業や手作業を減らし、開発者のライフサイクル全体で複雑な作業を簡単にすることで、全ての開発者は、明日のイノベーションを構築し、人類の進歩を加速させるという大局的な観点に創造性の全てを集中できるようになる」と述べる。