GitHubは米国時間6月6日、プログラミング言語「Swift」に対し、「Code Scanning」サポートのベータ版提供と、セキュリティアドバイザリーでの今後のサポートを発表した。
GitHubは2022年11月、「Kotlin」に対するCode Scanningサポートをベータ版として提供。6000以上のアラートが修正されたという。「Android」と「iOS」プラットフォーム向けモバイルアプリ開発でそれぞれ広く利用されているKotlinとSwiftのサポートは、セキュリティチェックを自動化するためのコード分析エンジン「CodeQL」にとって非常に重要と同社は述べ、Code Scanningはこれら言語特有のセキュリティ脆弱(ぜいじゃく)性や潜在的な脅威を効果的に分析・検出することができるようになると説明する。
Swiftのサポートでは、パスインジェクション、安全ではないウェブビューのフェッチ、暗号の誤用など、サニタイズされていないユーザーデータに対する安全でない評価や処理が含まれる。これにより、開発プロセスにおけるセキュリティ問題の積極的な特定と対処が可能になるという。パブリックベータにおいては、明らかな問題点に対する対応率を徐々に高めていく予定だとしている。
Kotlinや「C」「C++」「Java」「Python」「Ruby」「C#」「Go」といった既にサポート対象となっている言語にSwiftが加わることで、コードに対して400近いチェックを実行しながらも、低い偽陽性率と高い精度を保つことが可能になるとGitHubは強調する。
また、Swiftは、サポートされるパッケージエコシステムに追加され、6月にはセキュリティアドバイザリーが「GitHub Advisory Database」で、Swiftの依存関係が依存関係グラフでサポートされる予定だ。これにより、「Dependabot」は、Swiftプロジェクトにある脆弱な依存関係を警告し、修正案を含むプルリクエストを開くことが可能になる。
Code ScanningのSwift/Kotlinサポートがパブリックベータ版として提供されたことを受け、SwiftとKotlinで書かれたオープンソースプロジェクトのテストを目的にCodeQLクエリーの提出を可能にする「CodeQL Bug Bounty」プログラムが立ち上げられている。
GitHub Security Labによる同プログラムは、2023年12月1日までに提出されたSwiftとKotlinに関するCodeQLクエリーに対して特定の報酬を提供する。「High」または「Critical」のスコアを獲得した最初の10件には、最高2000ドルの追加報酬が提供されるという。