ドイツに拠点を置き、機械翻訳サービス「DeepL翻訳」を提供するDeepLは現地時間8月2日、「NVIDIA DGX SuperPOD」を導入し、AI翻訳およびコミュニケーションサービスを強化すると発表した。
DeepLが導入したDGX SuperPODは、68台の「NVIDIA DGX H100」システムで構成される。この規模の商業展開は欧州初だという。導入されたDGX SuperPODは、DeepLの他のサーバーとともに、スウェーデンにある再生可能エネルギーで駆動するグリーンデータセンターに設置される。
DeepLとNVIDIAはクラスター速度を「LINPACK」ベンチマークで評価しており、21.85PFlopsという結果を得た。これは、世界で最も高速な商用コンピューターシステムのランキング「TOP500」の最新版である2023年6月版において世界第26位、欧州第8位に相当するという。同結果は、TOP500の2023年11月版に提出が予定されている。
今回の導入は、DeepLが大規模言語モデル(LLM)のトレーニングを通じて技術を発展させ、世界最先端のAI技術を搭載したコミュニケーションツールの開発を目指していることの意思表示でもあると同社。個々のサーバーが互いに連携してスーパーコンピューターを形成しているため、DeepLのプロダクトの根幹である高度なニューラルネットワークトレーニングの最適化が可能となるという。NVIDIA DGX SuperPODにより、LLMの市場投入までの時間を大幅に短縮できると同社は述べる。