ISID、AmazonとクラウドSI事業分野でのパートナーシップを締結

富永恭子(ロビンソン)

2010-03-31 08:00

 電通国際情報サービス(ISID)は、Amazon Web Servicesが提供するクラウドサービス(AWS)上で、システムインテグレーションおよびSaaS提供が可能なソリューション・プロバイダーズ・パートナーシップを締結したことを発表した。今後、ISIDはAWSが提供するAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)や、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)を活用したクラウド型ソリューションメニューを大幅に拡大したい考えだ。

 Amazon EC2は、仮想サーバをウェブサービスとして提供するサービス。起動するサーバの能力と利用時間によって課金されるしくみで、利用者は計算資源を借り受けてアプリケーションを実行し、自由に拡張することもできる。Amazon S3は、オンラインストレージサービスで、容量と転送量によって課金される。

 ISIDでは、2009年10月にクラウドビジネス推進室を設置、同年11月にはアジア初となるSAP Business All-in-Oneを採用したクラウドサービスの提供を発表するなど、クラウドビジネスの展開を加速している。ISIDが提供するクラウドソリューションは次の4つ。

  • AWSなどのパブリッククラウド上でのSI事業を展開する「クラウドSI事業」
  • 既存システムからクラウドへの移行と運用を支援する「プライベートクラウド事業」
  • 欧米の先進的なクラウドサービスを国内代理店として提供する「クラウド代理店事業」
  • ISIDが開発したソフトウェア製品のSaaS化を推進する「SaaSモデル提供」

 同社は、いずれもユーザー企業の視点に立ったITソリューションとしてのクラウド活用を主眼としているという。

 今回のパートナーシップ締結は、特にクラウドSI事業でシステム構築の選択肢を大幅に拡大させるものだとしている。たとえば新商品キャンペーンなどの非定常業務において大規模なITリソースが一時的、短期間に必要となる。その場合、従来の手法ではシステム構築に相応のコストと期間が必要となるうえ、ユーザーはビジネス目的を達成した後もITリソースの保有コストを負担しなければならない。ISIDでは、AWSをはじめとするパブリッククラウドの活用により、このような課題は抜本的に解消されるとしている。

 ISIDではすでに、クラウド連携エリアワンセグの実証実験にAWSを採用するなど、AWS上でのアプリケーション構築とその検証を進めている。今後はさらに体制を強化し、ユーザー企業のビジネス革新を支援するクラウド型ソリューションを提供していきたい考えだ。

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