Dreamforce

セールスフォースの「myIoT」、ローコードをカギにIoTデータの活用支援

Conner Forrest (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-11-08 16:37

 Salesforceは米国時間11月6日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Dreamforce 2017」カンファレンスにおいて、同社の次期IoTアプローチとして「myIoT」を発表した。IoTに対する同社の最新の取り組みであるmyIoTの目標は、すべてのユーザーにコネクテッドテクノロジ活用に向けた道を開くというものだ。

Salesforce
提供:Salesforce

 SalesforceはmyIoTによって、ポイント&クリック型のローコードインターフェースをさらに前面に押し出すことで、より多くのユーザーがIoTプロジェクトの構築や配備を行えるようにしようとしている。

 Salesforceがプレスリリースで引用しているCisco Systemsの調査によると、IoTプロジェクトのおよそ60%が概念実証段階で行き詰まっているという。また、成功と言えるIoTプロジェクトを経験している企業は26%にとどまっているという。

 このような状況に対するSalesforceの答えがmyIoTだ。プレスリリースによると、このプラットフォームによって、テクノロジに詳しくない現場の従業員でもIoTソリューションを作り上げ、大規模なデータを収集し、そのデータに基づくアクションのトリガーを設定できるようになるという。またSalesforceユーザーはこうしたデータを役立てることで、営業案件のパイプラインを通じてより積極的に顧客に働きかけられるようになるという。

 実際のところ、myIoTによって新たな製品がもたらされるわけではない。プレスリリースによると、myIoTはむしろ、SalesforceのIoTに対する取り組みの方向性を明確にするとともに、「悪戦苦闘しているIoTプロジェクトに対する答え」、そしてビジネスリーダーから伝えられている悩ましい現状に対する解決策なのだという。

 またプレスリリースによると、myIoTとして最初に提供されるツールは「Salesforce IoT Explorer」だという。これは同社が10月に発表していたローコードIoTプラットフォームだ。

 プレスリリースには、Salesforce IoT Explorerを用いることで、例えば製造企業の管理者は、システムが機器コンポーネントの異常を示すデータを受け取った際に、サービスコールが自動で送信されるよう設定できると記されている。

 myIoTには、ローコードの他にも2つの柱がある。それは顧客コンテキストと、積極的なエンゲージメントだ。プレスリリースによると、より多くのコネクテッドデバイスを利用することで、Salesforceのユーザーはより多くのデータとコンテキストを扱えるようになるという。いったんデータを入手すれば、積極的なかたちでのセールスの機会をより効率的に活用できるようになる。例を挙げると、カーディーラーのサービス部門は、自動車が特定の走行距離に達してサービスに出された際や、寿命が近づいてきた際にセールスの機会を通知できるようになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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