IBM Food Trustが正式ローンチ--ブロックチェーン利用の食品サプライチェーン追跡ネットワーク

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-10-09 12:53

 IBMは米国時間10月8日、ブロックチェーン技術を活用した食品サプライチェーン追跡ネットワーク「IBM Food Trust」の一般提供を開始したと発表した。また同ネットワークに、大手小売企業のCarrefourも利用を開始したことを明らかにした。

 IBMは過去18カ月間、小売業者、卸売業者、生産者、食品業界の供給者と共に、同ネットワークの実証実験を行い、エコシステムの構築に取り組んでいた。

 IBMにとってCarrefourの参加は、同ネットワークの規模拡大を意味する。これまで、このエコシステムを流通して、消費者に届けられる何百万もの食品を追跡してきた。Carrefourは、33カ国の1万2000店舗以上を、IBM Food Trustに持ち寄ることになる。CarrefourはIBM Food Trustを利用して、同社のプライベートブランド製品とそれらの追跡機能にスポットを当て、2022年までに全世界へ拡張したい考えだ。Carrefourは食品の安全性とトレーサビリティに取り組むために、独自に「Act for Food」プログラムを導入している。

 Carrefour以外にも、Walmartが先ごろ、ブロックチェーンを活用したIBMとの取り組みを拡張することを発表済みだ。同社は葉物野菜の卸売業者に、IBM Food Trustを使った食品トレーサビリティシステムを導入するよう求めている。

 IBM Food Trustは当初、食品の安全性を強化するのが狙いだったが、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、自動化といった複数技術を利用して、廃棄物、効率、アナリティクスの面でも磨きをかけている。ブロックチェーン技術により、参加企業は原産地、データ、出荷明細などを含む記録を共有し、食品の生産者、卸売業者、小売業者を追跡できる。ブロックチェーンがビジネスにもたらす価値は、仮想通貨のハイプをはるかに上回るだろう。

 卸売業者がIBM Food Trustネットワークにデータを提供するのは無料である。中小企業やグローバル企業は企業規模に合わせて、月額100ドルからSaaS型モジュールを利用できる。モジュールには、安全性確保のために食品を追跡する「Trace」、デジタル証明書を検証する「Certifications」、ブロックチェーン上のデータ管理を行う「Data Entry and Access」がある。

 IBM Food Trustのスタート価格は、売上高が5000万ドル未満の小企業が月額100ドル、売上高が10億ドルまでの中規模企業が月額1000ドル、それ以上のグローバル企業が月額1万ドルだ。Traceモジュールの料金は以下の通りで、Certificationsも企業規模に合わせて、同様の料金体系となっている。

提供:ZDNet.com
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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