経済産業省は、11月19日から2019年1月27日まで「AIエッジコンテスト」を開催すると発表した。第1回では画像認識での物体検出精度を競う。
同イベントは、優れた技術やアイデア、人材の発掘と同分野への参画を促すことを目的に、実データを使い、実装を意識した課題の解決を競うという。AIエッジとは、エンドポイント(データが発生する現場)に近い領域で人工知能(AI)技術など活用した情報処理を通じて何らかの価値の実現、提供を可能にする概念といえる。特に、極めて高いリアルタイム性が要求される処理や応答あるいはクラウドデータセンターなどでは対応仕切れない情報処理を担うといった役割が期待される。
第1回では、同省の掲げる「Connected Industries」での重点取り組み分野とする自動走行やモビリティサービスの実現に欠かせない画像認識をテーマにしたという。コンテスト開催に際して同省では、都内一般道などの走行画像に(1)矩形タグ付け処理されたデータセット、(2)ピクセル単位でラベリング、セグメンテーション処理されたデータセット――の2種類を構築。これらのデータから物体検出などの精度を競う。
タグ付け処理されたデータセットのイメージ。データは3万枚の画像で、タグ付けは乗用車や歩行者など10種類(経済産業省資料)
セグメンテーション処理されたデータセットのイメージ。データは3000枚の画像で、タグ付けは乗用車や歩行者など21種類(経済産業省資料)
コンテストには「オブジェクト検出部門」「セグメンテーション部門」の2つがあり、オブジェクト検出部門では、車両周辺のカメラ画像から物体の映る矩形領域を検出して物体を判別するアルゴリズムの作成を課題とする。セグメンテーション部門では、同画像からピクセル単位で物体の映る領域を検出に、同様に物体を判別するアルゴリズムの作成を課題としている。
参加資格に制限はなく、2019年3月初旬に上位者の表彰を予定。上位者には、同年3月に自動車技術会が開催する「自動運転AI チャレンジ」への参加資格が与えられ、アルゴリズムの自動運転プログラムへの実装やカート車両への搭載、走行に挑戦できる。同省はコンテスト終了後に、上記のデータセットの公開も予定している。