テレフォニー機能搭載のCisco IOSに脆弱性--シスコが修正パッチを公開

Marguerite Reardon (CNET News.com)

2005-01-24 12:26

 Cisco Systemsは米国時間21日、特定のテレフォニー機能を搭載したルータがDoS(サービス拒否)攻撃を受ける可能性があると警告した。

 Ciscoによると、影響を受けるのはIOS Telephony Service、Cisco CallManager Express、Survivable Remote Site Telephony(SRST)の各機能が動作するルータだという。これらは、どれもInternetwork Operating Software(IOS)に組み込まれている機能だ。なおIOSとは、CiscoのIPルータ全機種に採用されているネットワーク機器用オペレーティングシステムのこと。

 CallManager Expressは、CiscoのIPルータ上でIPテレフォニーを実現するための機能である。またSRSTは、支店などで利用されるIP音声ネットワークの耐障害性を高めるために用意された機能だ。例えばWANに障害が発生して支店のIP PhoneとCisco CallManagerとの接続が切れてしまった場合、SRSTが動作してその支店の電話をルータに自動転送する。そして、このルータが処理を引き継ぎ、CallManagerと同じ機能を果たす仕組みになっている。

 これらの機能はどれも、同社独自のSkinny Call Control Protocol(SCCP)を使って実現されている。Ciscoは今回の警告のなかで、SCCPを処理するポートに特定の「不正パケット」が送信されると、デバイスがリロードされてしまう可能性があると述べている。このバグを悪用して、デバイスに不正パケットを大量に送りつければ、デバイスがリロードを何度も繰り返す。つまりこの行為を繰り返すことで、DoS攻撃を引き起こせるのである。

 Ciscoは、今回の脆弱性の影響範囲について、IOSが稼動するデバイスのうち、これらのテレフォニー機能を搭載したものだけだと述べる。この問題を修正するソフトウェアパッチは、同社から無償で提供されている。この脆弱性に関する詳しい情報は、Ciscoのウェブサイトに掲載されている。

 

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    生成AIをビジネスにどう活かす?基礎理解から活用事例までを網羅した実践ガイド

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]