Nokiaは、モバイルセキュリティ製品の品揃えを拡充した。新たに発表された製品のなかには、外回りの多い社員がいつでも社内ネットワークにアクセスできるようにするものもある。
同社は米国時間11日、いくつかの新製品を発表したが、これらは企業ユーザーが離れた場所にある支店や携帯端末などから社内ネットワークへ安全にアクセスできるように設計されたもので、IPSec、トンネリング、暗号化の各技術を利用している。
これらの製品は、VPN(Virtual Private Network)というセキュアな通信路を実現し、社外にいるユーザーが社内にいるのと変わらぬ状態で企業ネットワークをできるようにする。VPNを使えば、トラフィックの暗号化と専用通信路の確保が可能になるため、インターネットをまたいでデータをやりとりしても、その内容を覗かれるおそれがない。
Nokiaはすでに、SSL(Secure Sockets Layer)ベースのVPN製品を提供している。SSLとは、標準的なWebブラウザ経由で企業ネットワークに安全にアクセスするための技術。SSLベースのVPNは柔軟性が高いものの、アクセス可能な情報の種類は限定されてしまう。IPSecベースのVPNが企業内のいかなるデータにもアクセスできる一方で、ほとんどのSSL VPN製品では、ウェブベースのコンテンツへのアクセスに限定されてしまう。
NokiaのIPSec VPNの新製品群には、リモートオフィスの規模に応じた4種類の異なるIP VPNゲートウェイが含まれるほか、同社の携帯電話機や他の携帯端末向けのモバイルVPNクライアント、すべてのコンポーネントが正しく連携していることを確認するための管理ソフトウェアなどが含まれている。
この新しいIPSecクライアントは、多くのスマートフォン(多機能型携帯電話機)の標準OSとなっているSymbianを搭載した携帯端末で利用可能だ。具体的には、Nokia 9500/9300/7650/6670/6630/6600/6620/6260/7610/3660/3650/9200などのSeries 60やSeries 80のプラットフォームを用いた携帯電話機やコミュニケータで利用可能となっている。
今回発表になったゲートウェイ製品は、小規模から中規模までの支店を持つ企業に、より手ごろなVPNの選択肢を提供するために開発された。そのため、標準技術を用いたこれらの製品により、ノートPCやデスクトップPCなど、IPSecクライアントが動作するいかなる機器でも、ゲートウェイを介して企業の本社へと接続することが可能となる。
これらの新製品は2月に販売となる見込みで、最低価格は395ドルとなっている。