PeopleSoftの買収を完了したOracleが、PeopleSoftの社員に対してさらなる追い討ちをかけている。同社はPeopleSoftの社員に解雇を通知するにあたり、解雇通知を速達で自宅に送るという異例の手段を用いたのである。
同社に詳しい情報筋によると、米国中の数千人にのぼるPeopleSoft社員に宛てられた郵便は今週中にも配達される見込みであるという。解雇を免れた社員も、新しいOracle雇用契約書の入った封書を受け取ることになる。
このために、多くのPeopleSoft社員は不愉快な週末を過ごすこととなりそうだ。PeopleSoftは世界中に1万1000人以上の社員を抱えているが、OracleはPeopleSoftの社員を6000人程度解雇する可能性があると過去に試算している。正式な人数の発表は米国時間14日に行われる。
Coremetricsの最高経営責任者(CEO)で、以前にはPeopleSoftのグループバイスプレジデントを務めたこともあるJoe Davisは「PeopleSoft社員の大半は、このやり方について、本当に冷淡だと感じている」という。同氏は現在もPeopleSoft時代の仲間と連絡を取り合っている。
「彼らは、これまでもひどい扱いを受けていると感じており、今回はそうしたことがまた1つ増えただけだと思っている」(Davis)
先週完了したばかりのOracleのPeopleSoft買収は、憎悪に満ちたものだった。PeopleSoftの買収を阻止するための戦いは1年半に及び、その戦いの厳しさは、2度にわたる法廷闘争や、Oracle CEOのLarry Ellisonによる「PeopleSoftを閉鎖しその製品を打ち切る」という発言からも見てとることができた。
しかしいずれにせよ、Oracleの解雇の進め方はあまりにひどいという人事の専門家は多い。
サンフランシスコで独立し、幹部のコーチングや人事コンサルタントを行うZarin E. Randeriaは「社員は郵便で解雇通知を受け取っても、自分からの返答を受け付けてくれる相手はいない。ひどく人間性を無視したやり方だ」と語る。
ほかにも、この方法が裏目に出る可能性を示唆する人はいる。Oracleは今回の買収を成功させるために、一部の優秀なPeopleSoft社員をつなぎとめる必要があるからだ。
「新しい社員を威圧し、敵に回すのは得策ではない」と雇用サービス会社Challenger, Gray & ChristmasのCEOであるJohn Challengerはいう。「新しい社員を会社に溶け込ませ、彼らの間に『われわれと彼ら』を区別する姿勢が広がらないように努力する必要がある。郵送で通知を受け取った多くの人は、このやり方を機械的かつ冷淡に感じるだろう」(Challenger)
インターネットの掲示板にも、この件に関する批判的なコメントが書き込まれている。
「非常に効率的ではあるが、あまりにも冷たい」という匿名のコメントがYahoo Financeの掲示板には書き込まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。