リコーは4月5日、同社の顧客情報1万8656社分の入ったノートパソコン1台が盗難にあったと発表した。同社によると、顧客情報にはパスワードを設定しているため、パソコンを入手した者がアクセスすることは事実上困難だとしている。現時点で顧客情報が流出したとの連絡はないという。
盗難が発生したのは3月25日。東京都内において同社グループ会社の社員が帰宅途中、リコーより借り受けたノートパソコンを鞄ごと盗まれた。同日警察に届け出るとともに、現在まで盗難にあった場所の周辺やパソコンの流通が推測される経路などを捜索しているが、未だ見つかっていない。
盗難にあったパソコンに保存されている顧客情報として現段階で判明しているのは、リコーの業務ソフトを導入した1万8656社の情報で、企業名とその所在地、電話番号。また、一部の顧客については、企業の代表者名、担当者名および所属が含まれている。
今後の対応について同社では、「該当するお客様に対し、おわびと、状況および今後の対応についての説明を個別に行う。また、今後も警察および弁護士に相談し、パソコンの捜索を続ける。さらに再発防止策として、社内標準規定の見直しと充実を図り、企業秘密や個人情報の重要性に関する社員教育の再徹底、情報の取り扱いに関する内部監査の徹底などを行う」としている。