こうした2製品のバージョンアップに加えて、「将来的にはバックアップとアーカイビングは1つのソリューションに融合され、エンドユーザーが数秒で復元を可能にできるようになる。それがPantherだ」(Burton氏)として、初めてそのコンセプトとデモが披露された。Burton氏は「バックアップは上書きが可能で、万が一の障害時にデータやシステムを元の状態に戻せるように常に新しくしておく必要があり、更新前の古いデータは必要がない。この一方で、アーカイブは上書きなどの変更が加えられず、裁判などで必要になればいつでもデータを見つけられるなど長期保存が必要だ」と説明し、「効率化するためには、この2つを両立させて統合化したツールが求められている」と語った。
秘密兵器Pantherのイメージ
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Pantherのコンセプトは、テレビ番組の録画で革新をもたらしたTiVoにある。Burton氏が続ける。「TiVoは自動的に番組がディスクに録画されていて、リアルタイムの放映が過ぎてしまっても番組を最初から見られる。連続的なバックアップを行っており、見たい番組を瞬時に探して呼び出せる」
このTiVoをバックアップや復元の世界に反映させる。ディスクでもテープメディアでも何でもかまわないが、保存されたアーカイブとバックアップのデータを、エンドユーザーが一元的に瞬時に見つけ出し、取り出せる機能を提供するのがPantherなのだ。そのために、ブラウザーベースでGoogleと同様のインターフェースや検索機能を有する。そして、アーカイブおよびバックアップされたデータを検索して、目的のデータを復元する際には、ブラウザーでファイルをダウンロードするときのように、検索結果のリンクをクリックすればファイルを「開く」か「保存」するかの選択が表示されるので、どちらかを選ぶ。
デモでは、パワーポイントファイルでVERITASの企業案内にあるCEOのGary Bloom氏の写真を、SymantecのCEOのJohn Tompson氏に変えて保存し、Bloom氏の写真を削除したが「あ、まだ6月末まで合併は完了していないんだった」として元の写真をPantherを使って検索。検索結果からファイルを開くと、瞬時に変更前のGary Bloom氏の写真入りパワーポイントファイルに復元された。Pantherの登場は2006年前半の予定だ。