米VERITAS Softwareは4月26日(米国時間)、年次カンファレンス「VERITAS VISION 2005」の2日目に今夏出荷予定の2製品の新バージョンと、これまでトップシークレットにして開発されてきたストレージ管理ソフトウェア「Panther」(パンサー)を発表した。
まず、バックアップ・リカバリソフトウェアの「VERITAS NetBackup 6.0」では、初めて米Network Appliance(NetApp)の「NearStore」や米EMCの「Symmetrix」、日立の「Hitachi Lightning」、VERITASの「VERITAS Storage Foundation」、Microsoftの「Exchange」、UNIX、Linux、Windowsなど、多種多様なシステムで生成されたデータを管理できるようになった。VERITASのソフト以外で複製されたデータでなくても情報を管理し、復元できるわけだ。
VERITAS エクゼクティブバイスプレジデントのJeremy Burton氏
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これは、「カタログ化」と呼ぶ手法を使っているために可能となった。VERITAS エクゼクティブバイスプレジデントのJeremy Burton氏は「電話番号を見つけたいときに電話帳というバックアップから探すのと同様に、データを移動させるのではなくカタログ化しておく。どこにあったデータがどこに格納されたのかという情報をカタログデータとして残すわけだ」と説明する。つまり、ディスクの中に保存されているデータをコピーする「スナップショット」を行う際に、どこにあったデータかを一緒に記録しているので、多種多様な混在したシステムのデータであっても、バックアップデータを集中管理し、確実に復元できるというわけだ。
また、NetAppとは2年間協力してNetAppのストレージとNetBackupの統合化を果たした。これにより、バックアップする際に複数のファイルに含まれる同一のデータのコピーを1つだけ保存する「NearStoreシングルインスタンスストレージ機能」を使い、余分なバックアップデータを減らしてストレージ容量を節約できるようになった。さらに、バックアップデータをユーザーが閲覧できる形式に変換するので、管理オペレーターを介さずに、どのクライアントマシンからもエンドユーザーがあらゆるバックアップイメージを保存、リカバリできるようにもなった。
これにより「消失したデータの復元を依頼されたIT担当者が2日間かけて作業していたケースも聞くが、エンドユーザー自身でそれが可能になったので、これまでに比べて3倍以上早くなった」(Burton氏)と言う。
このほか、ブラウザベースで一元管理できる統合コンソール「VERITAS NetBackup Operations Manager」を搭載した。バックアップ管理者は、これを使ってバックアップ全体のリアルタイムモニタリングができる。成功率や失敗に伴うシステムの警告、エラーなどがグラフを使って表示されるので、管理がしやすくなった。
6.0が発表されたばかりだが、Burton氏は次期バージョン「BigHorn」についても「OSが違うシステムでも共有ストレージ機能を使って、それぞれのディスクを1つのディスクとして扱うバックアップの仮想化を実現する」と触れ、2006年前半に正式発表される見込み。