Mozilla Foundationは、Firefoxブラウザに存在する2つの「極めて重大」な脆弱性を悪用するコードが公開されたことを受け、同ブラウザのセキュリティアップデートをリリースした。
米国時間11日にリリースされたMozillaのFirefox 1.0.4では、今週明らかになった脆弱性が修正されている。Mozillaウェブサイトの掲載文によると、このアップデートにはいくつかのセキュリティ修正のほか、一部のウェブサイトで生じるDHTMLエラーの修正も含まれているという。
今回のアップデートの目的は、攻撃者に組み合わせて悪用されるとクロスサイトスクリプティングやリモートシステムへのアクセスを許しかねない2件の欠陥を修正することにある。この2件の脆弱性は悪用のおそれがあるものの、まだ実際に悪用された事例は見つかっていない。
セキュリティ監視会社のSecuniaでは、これらの脆弱性の深刻度を「極めて重大」と評価している。
これらの脆弱性の存在により、これまでMozilla以外のサイトから拡張機能をインストールすることにはリスクがあったが、今回のアップデートによってそれが安全に行えるようになる、とMozillaのエンジニアリングディレクター、Chris Hofmannは述べている。
Mozillaは現在このアップデートを12の言語で提供しているが、数日中に新たに24の言語に対応するとHofmannは述べた。
昨年11月にFirefox 1.0が公開されて以来、同ブラウザは急速なペースでユーザーを増やしており、4月にはダウンロード数が5000万回を超えた。
Firefoxは、昨年のバージョン1.0リリースによって、MicrosoftのInternet Explorer(IE)が支配しているウェブブラウザ市場を揺るがす存在になり得ることをアナリストらに証明した。同ブラウザの登場によって、IEはここ数年間で初めて、若干ながらも市場シェアを落としている。
4月末時点で、Firefoxは米国市場シェアの6.8%を占めている。一方、IEのシェアは昨年90%を超えていたものが、88.9%にまで減少している。
ただし、WebSideStoryが今週発表した調査結果によると、Firefoxの急速な成長は、鈍化の兆しを見せ始めているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ