富士通は6月30日、手のひらの静脈パターンで生体認証を行う「非接触型手のひら静脈認証装置」による事業を世界展開すると発表した。米州、欧州、アジアの現地関係会社と連携し、7月より同装置の現地販売を始める。対象地域は順次拡大していく。
非接触型手のひら静脈認証は、「体内情報を使うため偽造が困難」「外部条件の影響を受けにくく適用率が高い」「非接触であるため利用者の抵抗感が少ない」といった特徴を持つ。「他人受入率0.00008%以下、本人拒否率0.01%とトップレベルのセキュリティを確保しており、今後世界的に需要拡大が見込まれる」(同社)。
同社は、「同装置の事業を世界規模で展開し、世界のセキュリティ市場でデファクトスタンダードの確立を目指す」としている。7月より販売する地域と、現地の関係会社は以下の通り。
- 米州:富士通コンピュータ・プロダクツ・オブ・アメリカ(FCPA)
- 欧州:富士通ヨーロッパ(FEL)
- アジア/アセアン諸国:富士通アジアPTEグループ(FAPL)
- 韓国:富士通コリア(FKL)
- 台湾:台湾富士通股分有限公司(FTL)
富士通は、2004年7月に同装置を発売して以来、これまで国内で約5000台を販売した。今後、同装置の小型版を販売する予定で、これについても全世界に展開する。また、同装置を活用したSI事業を支援するため、富士通サービス・フィンランドのログイン認証ミドルウェア「mPollux」の世界展開も合わせて行う。
富士通では、全世界において今後3年間で800億円の受注を目指す。