[CNET10周年記念企画]IT業界の10年間を振り返る

Mike Yamamoto(News.com)

2005-08-17 10:00

 Napsterを使って友人と音楽ファイルを無制限に「共有」できていたのがほんの昨日のことに思える。スパイウェアやアドウェアが暗躍することもなかった平穏な日々や、2000年問題におびえたあの日々を覚えているだろうか。当時は「ググる」という言葉も存在しなかった。時の流れは速いものである。米CNET Networks News.comのスタッフは、このことを誰よりも実感している。そこで、この10年間に起こったIT業界の10大ニュースを年代順に並べてみた。記憶をたどりながら読んでいただきたい。

1995年:すべては新規株式公開から始まった

 経済的な力としてのインターネットの台頭を定義するという意味で、Netscape Communicationsの新規株式公開(IPO)ほど象徴的な出来事はなかった。Netscape の売上は当時1600万ドル足らずだったが、それが1995年8月のIPOで、この前途有望なウェブブラウザ開発企業の資産価値は20億ドルにも跳ね上がったのだった。そして、どんな具体的な数字よりも重要なことは、NetscapeのIPOをきっかけに、デイトレーダーやベンチャーキャピタリストによるIT関連株への投資が活発に行われるようになり、ドットコム時代の幕が開けたということであった。

1996年:インターネット上の言論の自由

 今日われわれが知るインターネットの基盤は、1996年電気通信法のうちインターネット上でのわいせつ画像の流布を禁じる条項(通信品位法:Communications Decency Act)が連邦最高裁判所によって違憲とされたことによって、確立された。この判決によって初めて、インターネットは、テレビやラジオのような政府に規制された存在ではなく、制約や検閲のない自由なメディアであることが明確になった。

1997年:スティーブジョブスとアップルの復活

 Appleは、そのカリスマ性と何かと物議をかもすことで知られる共同創設者Steve Jobsの返り咲きによって、まさに瀕死の状態から劇的な復活を果たした。Steve Jobsは当初、CEOの座に戻ることを繰り返し否定していたが、結局はCEOの役職をこなし、Appleをかつての絶頂期の状態にまで復活させることに成功した。彼は復活後の10年間を通して、Apple再生の立役者となった。

1998年:ユーザー対Microsoft

 全米20州とコロンビア特別区の検事総長が、世界で最も強大なソフトウェア企業に対する反トラスト法訴訟に備えて、司法省に結集した。その後数年間続くことになるこの裁判は、テクノロジー業界、法曹界、株式市場、そしてパソコンやインターネットを使用するすべての個人にとって重要な節目となった。

1999年:2000年問題とそのコスト

 当時、世界的規模の破滅的大事故が発生すると広く考えられていた。ほとんどのプログラムが西暦の下2桁しか認識しないため、大半のコンピュータシステムが、2000年を認識することができないと言うのだ。しかし、フタを開けてみたら、大きなトラブルは何も起こらなかった。このため、この「ミレニアムバグ」に関するさまざまな警告は、IT企業の収益低下に対する都合のよい言い訳か、本当は誰も必要としない2000年問題対応ソフトウェアの売り込み口上だったのではないかと疑う人たちもいた。

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