シンクライアント端末大手の米Wyse Technologyは2005年8月10日、国内企業のセキュリティ対策意識の高まりを受け、日本法人「ワイズテクノロジー」を設立。販売パートナー各社と協業し、シンクライアント関連サービスを提供していくと発表した。資本金は1000万円。従業員は営業と技術で構成する5人。ワールドワイドにおいて売り上げの10%を目指す。
同社のシンクライアント「Winterm」は、画面情報端末である。クライアントアプリケーションをサーバー側で動作させ、シンクライアント端末を画面操作端末として利用する。米Citrix SystemsのPresentation Server(旧MetaFrame)を使うためのICAクライアント機能と、米MicrosoftのWindowsが備える遠隔操作機能RDPの端末機能が中核である。WintermのOSは、用途に応じてWindows CE、Linux、Windows XP embedded、同社の独自OSである「Blazer OS」の4種類を用意する。
同社の主力製品「Winterm」の市場価格は1台あたり4万円弱〜5万円程度である。シンクライアントの国内シェア50%を目指す。「シンクライアント市場の国内のコンペティターは、ブレード・クライアントを持つ日立製作所と日本ヒューレット・パッカード」(日本法人の社長に就任した河田英典氏)である。米国では、ブレード型クライアントPC大手の米ClearCube TechnologyにOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。
米Wyse Technologyのシェアは、米IDCの調査によるとワールドワイドで38%、北米で45%、EUで34%、アジアで33%。米Wyse Technology社長兼CEOのジョン・キッシュ氏はシンクライアント市場を「セキュリティ強化の追い風を受け、高い成長率で拡大している」と分析。「今後3年間、ワールドワイドで25%以上伸びる。日本市場も同様と見ており、重要視している」と、今回の日本法人設立の背景を語った。