インテル、最後のシングルコアXeonを発表

Stephen Shankland(CNET News.com)

2005-09-27 11:27

 Intelは米国時間27日、同社最後のシングルコアとなる「Xeon」プロセッサを2モデル発表した。これらは、同サーバチップの通常版より消費電力が低くなっている。

 Intelが発表したのは、55ワットで動作する3GHz「Xeon LV」と、90ワットで動作する3.2GHz「Xeon MV」の2モデル。従来の3.8GHzデュアルプロセッサの消費電力は110ワットだった。

 チップメーカー各社は、低消費電力で、その分発熱量も少ないプロセッサの開発を進めている。これは、エネルギーや電気の価格上昇だけが理由ではない。チップの消費電力が低下すれば、コンピュータメーカーはシステムをデザインしやすくなる。また、顧客もオーバーヒートの問題に悩まされず、データセンターにシステムを設置しやすくなる。Intelの新しい低電圧モデルは、ブレードサーバなど、シャーシ内におけるプロセッサの搭載密度が高い各種モデル向けに考えられている。

 デュアルコアプロセッサは、同等のシングルコア版より低いクロックスピードで動作するのが一般的だ。しかし、作業負荷が複数の独立した命令系統(スレッド)に分散されれば、クロックスピードが低くても、性能はデュアルコアモデルが上回る。

 Intelは、2つの処理エンジンを組み合わせて1つのシリコン片上に集積するデュアルコアサーバチップのリリースではライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)に遅れを取ってきた。しかし、Intelは、十数種類のデュアルコア/マルチコアチップの開発を進めており、「Paxville」と呼ばれる同社初のデュアルコアXeonも数週間以内に発表する計画だ。Paxvilleには2つのバージョンが用意され、1つはデュアルプロセッサ搭載サーバ用で、もう1つはプロセッサを4基以上搭載するサーバ用となる。

 AMDの主力である「Opteron」チップは95ワットモデルが標準となっているが、ほかにも120ワットの「スペシャルエディション(SE)」が用意されている。今のところ、SEバージョンを採用しているのはSun Microsystemsのみとなっている。AMDはまた、ブレードサーバなどの各種高密度コンピュータデザイン用にさらに低消費電力版のモデルも販売している。

 AMDは、OpteronによってIntelのマーケットシェアを奪ってきた。しかし、Merrill LynchのアナリストJoe Oshaは、Intelが価格で反撃に出て、AMDの利幅拡大を抑え込むものと予想している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  2. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  3. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  4. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]