Intelは米国時間27日、同社最後のシングルコアとなる「Xeon」プロセッサを2モデル発表した。これらは、同サーバチップの通常版より消費電力が低くなっている。
Intelが発表したのは、55ワットで動作する3GHz「Xeon LV」と、90ワットで動作する3.2GHz「Xeon MV」の2モデル。従来の3.8GHzデュアルプロセッサの消費電力は110ワットだった。
チップメーカー各社は、低消費電力で、その分発熱量も少ないプロセッサの開発を進めている。これは、エネルギーや電気の価格上昇だけが理由ではない。チップの消費電力が低下すれば、コンピュータメーカーはシステムをデザインしやすくなる。また、顧客もオーバーヒートの問題に悩まされず、データセンターにシステムを設置しやすくなる。Intelの新しい低電圧モデルは、ブレードサーバなど、シャーシ内におけるプロセッサの搭載密度が高い各種モデル向けに考えられている。
デュアルコアプロセッサは、同等のシングルコア版より低いクロックスピードで動作するのが一般的だ。しかし、作業負荷が複数の独立した命令系統(スレッド)に分散されれば、クロックスピードが低くても、性能はデュアルコアモデルが上回る。
Intelは、2つの処理エンジンを組み合わせて1つのシリコン片上に集積するデュアルコアサーバチップのリリースではライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)に遅れを取ってきた。しかし、Intelは、十数種類のデュアルコア/マルチコアチップの開発を進めており、「Paxville」と呼ばれる同社初のデュアルコアXeonも数週間以内に発表する計画だ。Paxvilleには2つのバージョンが用意され、1つはデュアルプロセッサ搭載サーバ用で、もう1つはプロセッサを4基以上搭載するサーバ用となる。
AMDの主力である「Opteron」チップは95ワットモデルが標準となっているが、ほかにも120ワットの「スペシャルエディション(SE)」が用意されている。今のところ、SEバージョンを採用しているのはSun Microsystemsのみとなっている。AMDはまた、ブレードサーバなどの各種高密度コンピュータデザイン用にさらに低消費電力版のモデルも販売している。
AMDは、OpteronによってIntelのマーケットシェアを奪ってきた。しかし、Merrill LynchのアナリストJoe Oshaは、Intelが価格で反撃に出て、AMDの利幅拡大を抑え込むものと予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ