Cisco Systemsは米国時間27日、悪意を持った攻撃に対するネットワークの強化を目的に、セキュリティ製品を新たに発表した。
この新製品は、Ciscoの取り組みである「Adaptive Threat Defense(ATD)」の一環であり、ウイルス対策メーカーTrend Microとの提携を拡張するものでもある。Ciscoは、この取り組みを通して、セキュリティ上の攻撃について自ら対抗する能力を持った「インテリジェントな」ネットワークの構築を考えている。
今回同社が発表するのは、Trend Microとの共同作業の一環として登場した「Incident Control System(ICS)」と、「Distributed Threat Mitigation for Cisco Intrusion Prevention Systems(IPS)」の2製品である。
Cisco Incident Control Systemは、ウイルスの拡散やパターンファイルの最新情報を、Trend Micro TrendLabsが両社の提携に基づいてユーザーに提供する。提供される情報は、ユーザーが、ネットワークにセキュリティ上の脅威が到達する前にシステム設定を変更し、脅威の遮断を可能にするための内容となっている。
Distributed Threat Mitigation for IPSは、ローカルネットワークを中心に活動する攻撃を、ユーザーが認識/管理/消去できる設計となっている。この機能は、Cisco Security Monitoring Analysis and Response System (CS-MARS) version 4.1のアドオンの一部として提供される。
この新製品を使うことで、CiscoのIPSアプライアンスセンサーは脅威を検知し、CS-MARS version 4.1はネットワーク経由で情報を配信する。そして、CiscoのIPS対応ルータが脅威を遮断する。
「ICSは、Trend Microの(セキュリティ上の)脅威管理サービスから情報を取得し、専用のアプライアンス/スイッチ/ルータ上で動作するCisco IPSソフトウェアに向かって簡単な命令セットを送信する」と、Ciscoの製品技術マーケティング部門のバイスプレジデントJeff Platonは説明する。
Cisco IPSシステムに送信されるこの命令セットは、攻撃を回避するため、ネットワークサービスやポートを遮断する場合もあるとPlatonは述べている。「ユーザーは、脅威の拡散や被害の発生から数秒で効率的に対応できるソリューションを求めている」(Platon)
またCiscoは同日、IPSの新バージョンを9月に、ルータおよびスイッチ向けInternetwork Operating System(IOS)の新バージョンを11月にリリースする計画だと明らかにした。
ICSは11月にも登場予定で、スタート価格は9200ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ