Microsoftは2005年末までに、デスクトップPC/ノートPC/ファイルサーバを悪質なコード攻撃から保護する新製品の初期テスト版をリリースする予定だ。
Microsoftが米国時間6日に発表したところでは、同新製品「Microsoft Client Protection」は、スパイウェアやウイルス、ルートキットなどの脅威からユーザーを保護するためのものだという。また同製品は、管理者による集約的な管理を実現し、Microsoftの「Active Directory」およびパッチ管理ツール「Windows Server Updates Services」と連携することが可能だと、同社は述べている。
新製品の価格や正式版のリリース時期は、まだ発表されていない。Microsoftは声明に、2005年末までには「限定的なベータ版」を公開し、数カ月間のうちに新製品のさらなる詳細を明らかにすると記している。
Microsoftのセキュリティエンジニアリング&コミュニケーション部門ディレクターDebby Fry Wilsonは、「当社が企業向けの包括的なセキュリティ保護製品を提供するのは、これが初めてだ」と話した。Client Protectionの利用には料金がかかるが、提供方法は未定だとWilsonは述べている。
今回の発表は、ドイツのミュンヘンで開催されたイベントで行われた。同イベントには、MicrosoftのCEOであるSteve Ballmerおよびセキュリティ担当バイスプレジデントMike Nashが参加し、同社のセキュリティ戦略や製品ロードマップに関する記者会見を開いた。
Microsoftは以前から、企業向けのセキュリティ製品をリリースし、SymantecやMcAfee、Trend Microなどの大手ベンダーと競合していくと述べていた。
さらにMicrosoftは同日、同社製品ユーザーにセキュリティ製品を提供するため、「SecureIT Alliance」と呼ばれる新団体を結成したことを発表した。同団体には、F-SecureおよびVeriSignとともに、Symantec、McAfee、Trend Microが含まれている。
Ballmerはミュンヘンで行われた記者会見で、「今日見られるセキュリティ上の脅威に対抗するには、単にソフトウェアの安全性を確保するだけでは不十分だ。スパイウェアやマルウェア、ウイルスに対して、積極的な防御策を取っていかなければならない。MicrosoftはClient Protectionを擁して、包括的なセキュリティ保護手段を企業に初めて提供することとなった」と述べ、「ユーザーが安全な環境を維持するのを支援するという点において、MicrosoftはLinuxやその他のシステムをすでに凌駕したと考えている」と自負した。