出光興産(出光、天坊昭彦代表取締役社長)とソニー(中鉢良治取締役代表執行役社長)は11月29日、有機ELディスプレイ用材料の共同開発を行うと同時に、両社がそれぞれ保有する有機EL関連材料特許、デバイス特許を相互に利用しあうことで合意したと発表した。本契約は06年1月頃に行う見込み。
出光とソニーが保有する有機EL関連技術を融合させ、発光効率の向上による低消費電力化をすすめ、性能の高い有機ELディスプレイ用材料の開発を行うもの。高精細HD映像時代に対応できる輝度や発色性、高速応答性、長寿命化などを実現するのが目的。また、両社が保有する有機EL関連特許技術も相互に利用していく予定で、出光がデバイス技術、ソニーが材料技術を提供する。
有機ELディスプレイは、有機材料に電流を加えることで材料自らが発光する自発光型のディスプレイデバイス。バックライトが不要で、有機発光層をガラス基板で挟んだシンプルな構造なため、パネル厚を大幅に薄型化することができる。また、動画応答性に優れ鮮やかな色彩表現が可能なため、次世代の薄型ディスプレイとして注目されている。