ノベル、セキュリティソフト「AppArmor」をGNU GPLの下で公開

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)

2006-01-11 18:43

 Novellは米国時間1月10日、Linuxマシンを新種の攻撃から守るためのソフトウェアをリリースした。

 このプログラム「AppArmor」は、強制アクセス制御(Mandatory Access Control:MAC)という発想に基づくセキュリティ製品の1つだ。強制アクセス制御とは、ソフトウェアなどに対するユーザーの権限を本当に必要なものだけに制限するアクセス制御方式のこと。

 Novellの強力なライバルであるRed Hatは2005年に、Linux用の強制アクセス制御アーキテクチャを実装したSELinuxを、自社製品であるRed Hat Enterprise Linuxに組み込んでいる。

 AppArmorは現在、Novellのホームページからダウンロードできるようになっている。また、同社によれば、同プログラムは19日にはopenSUSEに組み込まれるという。AppArmorは、Novellが2005年にLinux向けセキュリティ製品を扱うImmunixを買収した際に入手した技術に基づいて開発された。

 システム管理者はAppArmorを使って、特定のアプリケーションがアクセスできるファイルを記述したセキュリティプロファイルを設定する。その結果、攻撃者は、プロファイルの適用されたアプリケーションを乗っ取ることに仮に成功したとしても、マシン全体を制御して悪質な行為に出ることが難しくなる。

 NovellはAppArmorが「SELinuxよりもずっと使いやすい」と、同プロジェクトのウェブサイトで強調している。ポリシーの作成は自動化されているうえ、SUSE Linuxの管理ツール「YaST」を使った設定が可能だと、Novellはいう。また、AppArmorを使うことによるパフォーマンスペナルティは0〜2%で、SELinuxを使用した場合の7%に比べてはるかに低いと、同社は付け加える。

 Novellによると、AppArmorはGNU General Public License(GPL)の下でリリースされるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]