AMDが想い描く「Opteronのその先」

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部)

2006-02-14 14:57

 Phil Hesterは、IBMで20年以上勤務した後、サーバメーカーのNewisysを立ち上げるなど、輝かしい経歴の持ち主だ。しかし、Hesterが比較的最近Advanced Micro Devices(AMD)の最高技術責任者(CTO)に就任したことから、いまこの経歴の真価が問われようとしている。

 2005年9月にAMD(本社:カリフォルニア州サニーベール)のCTOに就任したHesterは現在、同社のプロセッサ設計の将来を決める作業に全力で取り組んでいる。同氏の前任者であるFred Weberは、AMDが業績を再建する原動力となった「Opteron」チップ開発の功労者と言われている。

 CNET News.comは先ごろ、Hesterにインタビューを行い、2007年までに4コア搭載プロセッサを提供するという計画や、「DDR2」(2005年時点で、PC用メモリの標準として主流になりつつあるコンピュータメモリ技術)への移行、OpteronおよびAthlonの次の世代にあたるプロセッサに対する彼のビジョン、そしてプロセッサ技術のライセンス供与を通じたAMDのエコシステム構築などについて話を聞いた。

--AMDが製品アーキテクチャのライセンス供与を検討しているというのは本当ですか。

 そういったアイデアは少し前からありますが、それは、われわれが直接相手にする顧客やエンドユーザーの求めるものを理解する、ということと関係しています。ライセンス供与の目的は、「Coherent HyperTransport」技術(AMDがサポートするチップ間の相互接続技術で、24インチまでのシステムボード上で主に使用される)を、厳選した企業に提供することにあります。

--「Coherent HyperTransport」は、Intelのフロントサイドバス(FSB)システムや、同社がまもなくリリースする「Common System Interconnect」よりも優れた代替技術として、AMDが何年も普及に努めてきているものですね。

 まったくその通りです。

--それを、他社にライセンス供与するつもりだと。

 そうです。供与する先の例を挙げるとすれば、高い処理性能が要求される戦術的計算分野(に携わる企業)です。この分野では、Crayなどの各社がベクトル型浮動小数点演算(機能)を求めています。

 そういった計算を行うためには、コプロセッサや、標準システムに付加する追加プロセッサの要素が必要になります。われわれはまだ、最終的な計画を作成したわけではありません。しかし、データセンターでのワークロードに目を向けてもらえれば、XMLやJavaを高速化することによって、処理性能が飛躍的に向上する専門業務用アプリケーションが数多く存在することをわかってもらえるはずです。従って、ワークロードに狙いを定めたマシンを構築しようとするのではなく、AMD64アーキテクチャと連携して動作する追加プロセッサやコプロセッサを使用すれば、こういったワークロードの処理を高速化できることが分かると思います。

--マザーボードはどのようになるかをご説明いただけますか。

 最も簡単な説明としては、OpteronのようなAMD64プロセッサを搭載する、8ウェイの対称型マルチプロセッサシステムを考えてもらうとよいでしょう。そのうちの1つを、特化した処理エンジンで置き換えることができると考えてみてください。このエンジンは、ベクトル型浮動小数点演算、XMLの処理、Javaの実行といった特定のワークロードを処理することを目的としています。

--そういったことを現時点でパートナー企業が行おうとした場合、HyperTransportの使用方法に関するAMDの知識がなくても可能なのでしょうか。

 いいえ。Coherent HyperTransportのライセンスという形式でまとめられた詳細な知識が必要です。

--この動きは、AMDの戦略という観点からみて、競争力の強化にどう寄与するのでしょうか。

 これは、友好的なエコシステムというコンセプトに基づいています。現時点では、何かに特化したシステムを構築しようとする場合、すべてを一から構築する必要があります。しかし友好的なエコシステムを利用できれば、ハードウェアやソフトウェア関連のインフラをすべて一から構築する場合よりも、大幅に少ない開発コストで済みますし、私自身は、すでにある標準的なソフトウェアインフラを活用することもずっと簡単になると考えています。

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