サーバ管理ソフト企業Cassatt、仮想化ソフトをJavaに対応

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)

2006-03-07 12:52

 仮想化技術がもたらす柔軟性から利益を得ようとする新興企業Cassattは米国時間3月6日、Javaプログラムをサーバ上でさらに効率的に動作させるため、同社のマネジメントソフトウェアの機能を拡張する予定である。

 カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社は、サーバのプール上でのソフトウェアアプリケーションの動作方法をコントロールするソフトウェア「Cassatt Collage」を販売している。「Web Automation Module」と称する新たなオプションにより、Javaアプリケーションサーバ上で動作するソフトウェアにも対応できるようになる。

 数ある新興企業のひとつであるCassattは、仮想化技術を取り入れたコンピューティングパワーを確立させた。これはソフトウェアのためのバーチャルな基盤を、実在する基盤の替わりに提供する技術である。

 仮想化されたハードウェアは例えば、複数のOSを同時に動作させることで、サーバ使用の効率化を容易に実現できる。Cassattのソフトウェアはここからさらに一歩進め、よりハイレベルのソフトウェアをコントロールし、そのソフトウェアをあるマシンから別のマシンへと移動させることも可能とした。

 Cassattの新モジュールは、Sun MicrosystemsのJavaソフトウェアがすでに仮想化技術を採用しているという点を活かすものであると、元Sunの従業員であり、現在は製品担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるRich Green氏は述べている。各Javaプログラムはすでに、Javaバーチャルマシンと呼ばれるソフトウェア環境下で動作している。

 Cassattの新モジュールは、パフォーマンスが事前に設定されたレベルに至らない場合に新しいコンピューティング資源を割り当てたり、不具合が起きた場合には新たなマシンに移行させたりすることで、Javaソフトウェアをコントロールする。さらに、管理者がJavaサーバ資源を中央の資源にプールすることを可能とさせるため、これにより有効活用されていない多数のサーバを、トップキャパシティに近い動作が可能な少数のマシンに置き換えることができる。「サーバをだいたい5台から1台に統合できるとみている」とGreen氏は述べている。

 この製品は、BEA SystemsのJavaソフトウェア基盤である「WebLogic」とともに動作することが保証されているが、やがてはJBossやIBMの「WebSphere」といった他のJavaアプリケーションサーバにも対応できるようになる予定である。Cassattの創業者Bill Coleman氏がBEAの立ち上げにも尽力したことを考えると、この順序も当然と思われる。

 Cassattのコントロールソフトウェアの価格は、40台のサーバプールにつき約10万ドルである。同社によると、Web Automation Moduleを付加した場合、価格はサーバ1台あたり約5000ドル増加するという。

 Green氏によると、同社は現在約100人の従業員を保有するが、このうちコロラドで勤務する20人は、Sun Microsystemsのオートメーションソフトウェア「N1」チームの元メンバーであり、CassattがSunから一挙に採用したという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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