日本アイ・ビー・エム(IBM)は2月24日、東京の箱崎事業所において「IBM Workplace Forum」を開催した。1月に米国で開催された「Lotusphere 2006」で発表された情報も含めて、「Lotus Notes/Domino」および、その進化形としての「IBM Workplace」製品群を、日本のユーザーやパートナーに紹介するイベントだ。
IBM Workplaceは、同社によれば「人」「プロセス」「情報」をフロントエンドで統合し、「オンデマンド・ビジネス」を実現するためのシステム環境を提供する製品群であるという。その実体は、バックエンドのデータ、コンテンツ、アプリケーションを、コラボレーションサービスとしてのDomino、インテグレーションサービスとしてのWebSphere PortalやWorkplace製品群によって統合し、リッチクライアントやウェブブラウザ、モバイル端末といったフロントエンドに配信するための一連の仕組みだ。サービスの統合はSOAに基づいて行われる。個人やチームの目標、ビジネス上の役割、利用環境に応じて、必要な情報や機能を一元化されたクライアントに統合して提示することによって、生産性の向上や迅速な意思決定の支援を目指す。
IBMでは現在、この市場に対して「Notes/Domino」と「WebSphere Portal/Workplace」という2つの製品ラインを持っている。これまでも両ラインの統合は進められており、例えば、「Workplace Managed Client」から「Notesクライアント」をプラグインとして呼び出すといった形での統合は実現を見ている。さらに昨年、Eclipseフレームワークをベースに開発される「Hannover」(コードネーム)によって、次期NotesクライアントとWorkplaceのクライアント環境は完全に一体化することが明らかにされた。
日本IBM、Lotus事業部事業部長の澤田千尋氏は、Workplace Forumの基調講演で統合のロードマップを示しつつ、「(既存ユーザーに対しても)Notes/Dominoの完全な進化形として、Workplaceを披露できる環境が整った。既存顧客の資産を守りつつ、Workplace製品群には新たなテクノロジーを積極的に統合してオフィスワーカーの生産性向上を図っていく」と語った。
これまでに全世界で販売されたNotesクライアントのライセンス数は1億2500万にのぼり、現在のユーザーの90%以上がバージョン6.x以上を使用しているという。澤田氏は「今の段階でバージョン7、少なくともバージョン6以上に移行しておくことで、今後のバージョンアップにも、より容易に対応できるようになる」とし、既存のNotes/Dominoユーザーに積極的な移行を促した。
同イベントは、3月2日に日本IBM大阪事業所でも開催される。