IBMのLotus事業部が、「Macintosh」のマーケットシェア拡大を理由に、クライアントソフトウェア「Notes」のMac版を強化することを計画している。
IBMの幹部らは米国時間23日、Mac版Notesソフトウェアを強化し、IBMのインスタントメッセージング(IM)ソフト「Lotus SameTime」に対応させることを、フロリダ州オーランドで開催のLotusphereカンファレンスで明らかにした。同社はまた、ウェブブラウザ「Firefox」のMac版に対応するウェブバージョンのNotesもリリースする。
Notes 7.02と呼ばれる同リリースは、2006年第3四半期に完成の見通しで、「Mac OS X 10.4」(Tiger)上で動作する。
さらにIBMは、Apple Computerが新たにリリースしたIntelマシンに対応するNotes製品の開発を計画しているという。しかし、IBMワークプレイス/ポータル/コラボレーション製品担当バイスプレジデントKen Biscontiによると、リリース日は未定であるという。
IBMは、以前からMacintosh版のNotesクライアントを開発してきており、Windows版が9月にリリース済みであるNotes 7もMac版の開発を計画していた。
IBMは、Macに対する関心の高まりを見て、SameTimeのサポートを追加し、Macintosh版を拡張することを決定したとBiscontiは語っている。同社は、SameTimeに対応したLinuxベースのNotesクライアントもリリースする。
「Macコミュニティの成長が鮮明になりつつある。企業への導入率が5〜10%であっても、影響力は非常に大きく、組織内の他部署とのコミュニケーションが必須になっている」(Bisconti)
IBMのLotus製品ラインアップは、電子メール、IM、ウェブカンファレンスなど、各種コラボレーション対応製品がそろっている。そして、メッセージングやコラボレーション製品に多大な投資を行うMicrosoftがその強力なライバルとなっている。
Biscontiによると、同23日にデモが行われたHannover版「Notes/Domino」サーバソフトウェアは2006年中にベータテストが始まる予定で、出荷は2007年になるという。
法人顧客をつなぐIM
IBMはさらに同23日、近々登場予定のLotus SameTime 7.5が、YahooやAmerica Onlineの消費者向けIMシステムと連携することも明らかにした。
Biscontiによると、ユーザーインターフェースを改良したSameTime 7.5は2006年中ごろに発売されるという。Yahoo IMやAIMとの統合は2006年後半を予定している。IBMはさらに、SameTimeとGoogleのIMサービスであるGoogleTalkとリンクさせる意向も発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ