NECは3月14日、分子動力学シミュレーション(MD:Molecular Dynamics)向けサーバ「Express5800/MD Server」を三和化学研究所に納入したと発表した。
分子動力学シミュレーションは、タンパク質分子の機能と構造を解明し、薬剤の候補となる分子を探索するために実施される。高精度な計算が可能だが、数週間から数カ月間という長い計算時間を必要とする。そこで、計算量を減らすため、多少精度が劣っても分子間相互作用のカットオフ近似などを適用してシミュレーションするという。
Express5800/MD Serverは、専用計算ボード「MDエンジン」を搭載した分子動力学計算用のサーバだ。分子動力学シミュレーションにおいて計算の大部分を占めるクーロン力、分子間力などの非結合力計算を高速に処理する。そのため、カットオフ近似を用いずに、分子全体の力を高精度に計算できる。
受注の理由について、NECでは「高精度の計算が可能であると同時に高いコストパフォーマンスを実現した製品であることと、利用者独自の分子動力学プログラム適用に対する技術サポートも含め、強力なサポート体制を用意していることなどが評価された」としている。