SAPは米国時間4月3日、規制コンプライアンスや危機管理のためのソフトウェアを提供するVirsa Systemsを買収することを発表した。
過去1年間、ビジネスアプリケーション大手のSAPは、同社の製品ポートフォリオを拡充するための買収を活発に行ってきた。今回は、すでにSAPのパートナーであり、投資対象企業ともなっているVirsaがそのターゲットとして選ばれた。
SAPでプロダクト&テクノロジグループのプレジデントを務めるShai Agassi氏は、「企業統治や危機管理、コンプライアンスといった課題に対して、多くの企業が今日の対症療法的で断片化されたアプローチではなく、統合的な視点をもって取り組もうとし始めている。Virsaの買収は(中略)事業規模や産業分野を問わず、あらゆる企業に向けた危機管理サポートサービスの主要プロバイダーとなることを目指す当社の戦略において、重要な役割を果たすことになる」と、声明の中で述べた。
SAPとVirsaは、マーケティング、販売、開発に関わる提携契約の下、1年間にわたって協働してきた。同提携契約では、Virsaの主要製品である「Compliance Calibrator」が「mySAP ERP」のアドオンとして再販されることになっていた。
この間SAPは、VirsaのCompliance Calibratorおよび「Access Enforcer」を、4万人を上回る世界中のユーザーに提供してきた。なおVirsaは、SAPの「NetWeaver」のサードパーティ開発企業でもある。NetWeaverは、SAPのデータを他のアプリケーションと連係させるためのミドルウェアだ。
カリフォルニア州フレモントに拠点を置く株式非公開企業であるVirsaは、SAPの米国法人の傘下に入ることになるという。買収は2006年5月にも完了する見込みだが、詳細な契約金額は明らかになっていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ