VMWareは米国時間6月5日に、新しい仮想化ソフトウェアスイート「VMWare Infrastructure 3」を発表するとみられている。同社はこの製品で仮想化ソフトウェア市場におけるリードをさらに拡大したい考えだ。
VMWare Infrastructure 3は、VMWareの「VMware ESX Server」に、仮想サーバ管理ソフトウェア「VMware VirtualCenter」、分散ファイルシステムソフトウェア「VMware VMFS」、分散リソーススケジューラの「VMware DRS」、高可用性機能の「VMware HA」、バックアップツールの「VMware Consolidated Backup」を組み合わせた仮想化統合ソフトだ。
VMWareは、単一のサーバで複数のOSを同時に実行するソフトウェアを販売している。企業がコスト削減を求める中、こうしたツールの人気はますます高まっている。VMWareの製品のほか、競合するMicrosoftやオープンソースのXen Projectなどの仮想化ソフトウェアを使うと、企業は物理サーバを整理統合し、同じ仕事をより少ないマシンで済ますことができる。この分野にはほかにも新規参入が続いている。
VMWareのプレジデントDiane Greene氏はCNET News.comに対し、仮想サーバ「ファーム」がもっと一般的になり、VMWareがサーバの整理統合だけでなく、社内インフラ全体を管理したい企業に真っ先に選ばれる製品になればと考えている、と語った。
Greene氏によると、企業は仮想化の使い道について詳しくなってきているという。「いまや企業は、いくつものサーバを組み立てて設定する代わりに、リソースを集約してビジネスサービスを配備できるようになった」とGreene氏は話す。「これまでは物理的な個々のサーバの全体を仮想サーバに移し替えていた。いまは、これまで不可能だった新しいことが実現可能だと理解してもらえるようになっている」
VMWare Infrastructure 3により、企業はコンピューティングリソースを最も緊急に必要としているところへ素早くシフトできる、とGreene氏は言う。これはユーティリティコンピューティングないしオンデマンドコンピューティングという考え方の中で長い間、期待されてきたものだ。
Greene氏によると、2005年10月から6400人以上が参加してVMWare Infrastructure 3の試験が行われてきたという。
ストレージ企業のEMCの子会社であるVMWareは、現在、仮想化市場をリードしているが、Microsoftがこれに追いつこうと一丸となって取り組んでいる。Microsoftは5月、新しい仮想化ソフトウェアの計画を更新し、アプリケーション仮想化技術を専門とするボストンのSoftricityの買収でラインアップを強化した。